マンションを売るときには、査定前にしておきたいことがいくつかあります。
目的は、
- マンションの査定(面談)を有効活用するため
- マンションの査定(面談)で良い業者を選別するため
- マンションの査定(面談)を受けた後、スムーズに行動するため
の3つです。
以下に紹介することをしておくか、しておかないかで、今後のマンション売却に大きな違いを生む可能性があります。
よりよい結果を引き寄せるために、できるかぎりしっかりと準備をするようにしましょう。
【完全ガイド】マンションを売る方法
この記事は、「【完全ガイド】マンションを売る方法」の一部です。
マンションを売る方法について、流れおよび知っておくべき内容・ヒントなどを丁寧に解説しています。
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査定前の準備
マンションの査定を受ける前にしておいたほうが良いことは、
- マンション周辺の相場価格を調べる
- マンション関連資料を用意する
- 査定を受ける不動産業者を選ぶ
の3つです。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
マンション周辺の相場価格を調べる
査定を受ける前に、「マンション周辺の相場価格の調査」をしておきましょう。
不動産業者に査定を依頼した場合、通常であれば、査定書と一緒にマンション周辺の相場価格についての情報を得ることができます。
大手や、地域最大手の中小であれば、自社の取り扱い履歴などを活用した独自のデータベースを持っていることが多いです。
しかし、街の不動産屋さんくらいの規模であれば、年間の取り扱い件数も少ないので、データベースといえるようなものは保有していません。
とくに地方の不動産業者は、高齢の経営者がとても多くテクノロジーに対する対応がとても遅れているのが現状です。
ホームページ、ポータルサイトの活用はおろか、エクセルやワードも十分に活用できていないことがあります。
情報技術の導入が遅れている不動産業者に査定を依頼した場合、一般人がアクセスできる情報に毛が生えた程度のリサーチしかできません。
当然、情報の質も悪く、アットホームやホームズなどのポータルサイトを10分眺めれば分かるような情報を自慢げに披露されることもあるでしょう。
精度の低い情報を頼りに「売出価格」を決めた場合、
- 高値で売り出して、売れない期間を無駄に過ごす
- 安値で売り出して、金額的に大幅な損をする
といったことになります。
自己防衛をする意味でも、「マンション周辺の相場価格の調査」は、自分でも行っておきましょう。
ほかにも、不動産業者との面談時に、
- 不動産業者の質を見分ける材料として活用する
- 不動産業者の話をスムーズに理解するための助けとして活用する
といったメリットがあります。
売りたいマンションについて、より多くの情報を得ることに悪いことはひとつもありません。
ポータルサイトを使ってマンション周辺の相場価格を調べる方法
情報が広く一般に公開されている情報サイトのことをポータルサイトといいます。
不動産の主要なポータルサイトは、
の2つです。
ほかにも、Yahoo!不動産やスーモなどがありますが、現状、上記の2つで十分です。
もっとも簡易的な方法は、以下の画像のような、
-
アットホームの物件検索ナビゲーション
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ホームズの物件検索ナビゲーション
各サイトの物件検索ナビゲーションから、あなたが売りたい物件の所在する地域などを選択して、現在売出中の物件情報を確認する方法です。
条件を選択していくことで、条件に適合する現在売出中の物件が一覧で並びます。
- 間取り
- 面積
- 築年数
などの細かい条件を入力して、絞り込むことで、あなたの物件と競合する物件の情報を取得できます。
注意点として、あくまでも売出価格なので、成約価格ではありません。
中古マンションの購入希望者が、比較対象としてみる物件価格であり、「いくらにすれば魅力的な価格になるか?」の参考にすべきものです。
売出価格と相場価格
売出価格とは、売主が決めるマンションの表示価格です。
あくまでも、売主(および不動産業者)が単独で決めている価格なので、その価格でしか買えないわけではありません。
成約価格とは、売主と買主が合意した価格です。
売主と買主が相談をして、売買契約が成立した価格であり、実際に売れた価格を意味します。
ポータルサイト、情報誌、企業ホームページなどの広告に表示されている価格は、すべて売出価格です。
すこし深めに調査をするときには、
を活用するとよいでしょう。
過去の情報などをさかのぼって調査することができます。
過去の情報をさかのぼったときに、現在売りに出ているマンションと同一のマンションを見つけたときには、価格を比較してみましょう。
- 売出価格と成約価格の差がどのくらい開いているのか
- 安すぎるまたは高すぎる価格の目安はどのくらいなのか
をつかむことができます。

しかし、現状、どのような売り物が出ているのかを確認するには最適な方法です。
先に紹介したような、情報力を持っていない不動産業者の場合、この方法でわかる程度の情報しか提示できません。
国土交通省などのサイトを使ってマンション周辺の相場価格を調べる方法
国土交通省や、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているサイトである、
を活用して相場価格を調査する方法を紹介します。
上記2サイトを活用するときには、
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不動産取引価格情報(国土交通省)の物件検索ナビゲーション
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レインズの物件検索ナビゲーション
上記の物件検索ナビゲーションを利用します。
アットホームやホームズと違って、実際に成約した価格(売れた価格)がデータベース化されています。
ですので、手元に残る金額の予測をしたり、価格交渉になったときの値引きのラインを知る目安として有効です。
注意点として、成約価格をベースにした価格を、売出価格に設定してはいけません。
不動産売買では、指値交渉(値引き)が行われるのが普通なので、基本的に売出価格より若干安い金額で成約します。
不動産取引価格情報(国土交通省)のサイトは、国土交通省が管理しているサイトです。
レインズは、不動産流通機構が管理していますが、基本的には不動産業者向けに作られているサイトです。
ですので、アットホームやホームズに比べて、使いにくさが目立つのが欠点です。
とはいえ、非常に重要なデータを手に入れることができるので、しっかりチェックするようにしてください。

不動産業者には、ログインIDとパスワードが与えられており、会員のみアクセスすることができるページが用意されています。
より詳細な情報を取得できるようになっているのですが、まじめに入力していない不動産業者も多く、必ずしも機能しているわけではありません。
相場価格調査サイトを使ってマンション周辺の相場価格を調べる方法
相場価格の調査に特化したサイトとして、
などのサイトがあります。
会員登録などが必要なサイトもありますが、どれも無料で使うことができます。
すでに紹介した、
- アットホーム
- ホームズ
- 不動産取引価格情報(国土交通省)
- レインズ
などに比べて、相場価格の調査に特化しているので、データがとても見やすく分かりやすいのが特徴です。
まともな不動産業者が提出してくるレポートと比べても、見劣りしない品質です。
注意点としては、やや情報が遅れている可能性もあるということです。
とはいえ、売出価格を決めるための指標としては、もっとも使いやすいので、積極的に活用してみてください。

見劣りしない、あるいは上回るような情報・レポートが提出された場合には、不動産業者としては、信用ができると考えてよいでしょう。
次のページについて
次のページでは、「マンション関連資料を用意する」、「査定を受ける不動産会社を選ぶ」について解説します。
マンション関連資料を用意するでは、用意したほうがいい資料および用意する意味について解説します。
査定を受ける不動産業者を選ぶでは、査定を受ける不動産業者の具体的な選び方について解説します。