不動産投資 コラム

駆け出し不動産投資家が遠隔地を狙うべきたった1つの理由


不動産投資にはステージがあります。ステージは総資産の額によって決まり、各ステージの投資戦略があります。あなたが駆け出しの不動産投資家ならば、遠隔地(=地方)の優良物件を狙うべきですが、その理由が分かりますか?

始めたばかりの不動産投資家が陥りがちな罠に、新築ワンルームマンションを購入するというものがあります。これは初期段階でもっともやってはいけないミスであり、投資計画を完全にストップさせる劇薬です。それでも購入者が絶えない新築ワンルームマンションですが、初心者だからこそ陥ってしまう理由があります。

新築ワンルームマンションとは、最悪の投資物件です。どのような人であっても購入してはいけない投資不適格な物件ですが、その理由から解説を始めます。そして、なぜ駆け出しの不動産投資家が遠隔地を狙うべきなのかについてご説明します。不動産投資のステージを意識しながら、不動産投資についてより深い理解をしましょう。

【この記事からわかること】

  • 新築ワンルームマンションの3つの偽メリット
  • 新築ワンルームマンションは致命的にキャッシュフローが悪い
  • 遠隔地の物件を狙うべきたった1つの理由

新築ワンルームマンションの3つの偽メリット

新築ワンルームマンションの3つの偽メリット

新築ワンルームマンションの3つの偽メリット

新築ワンルームマンションの購入は、不動産投資家に必須の3つの資質を備えている人であれば、まずしません。あなたが、もし、買ってしまったのだとしたら、投資戦略について考え直しましょう。新築ワンルームマンションは、どんな投資ステージにある人でも手を出してはいけない最悪の投資物件です。

偽メリット①:立地が良い

基本的に新築ワンルームマンションは、抜群に良い立地のところに建てられます。東京都でいえば、山手線の内側で駅まで徒歩数分のところですね。こんなに素晴らしい立地はないだろうという条件が並びます。

しかし、不動産投資をする上で立地が良いのは当たり前です。立地が良い物件の中から、さらに優良な物件を見つけ出してこそ、収益が上がります。立地が良いというのは必要条件であり、十分条件ではないということを肝に銘じましょう。

また、立地が良いといいますが、どういう点で立地が良いのですか?何に対して立地が良いのかという視点はとても重要です。立地の良さを判断するときには、その背景に必ず需要が潜んでいます。どんな場所であっても、そこに強烈な需要が存在すれば好立地なのです。

一定数の人口が確保されていれば、どこかにかならず需要が生まれます。その需要が集中する場所こそが好立地といわれるものであり、都会は需要の総量が多いだけでしかありません。誰にでも分かりきっていることにはリスクもなく、リスクがなければリターンもありません。

偽メリット②:価格が安く手ごろ

新築ワンルームマンションほど割高な物件はありません。ワンルームで細かく区切っているので、総額が見えにくくなり、安く感じるかもしれません。ですが、計算をしてみると驚くほど高くなっているはずです。

そもそも新築ワンルームマンションを販売するときには、様々な業者が関わります。ときには建設業者と販売業者が違うだけではなく、販売委託業者まで関わってきます。間に業者が挟まってくれば挟まってくるほど、彼らの利益が上乗せされます。何層にも余計な利益が上乗せされているので、新築ワンルームマンションは割高な物件になりやすいのです。

また新築ワンルームマンションは、もっとも付加価値のない間取りです。付加価値のない建物であるほど、賃料の値崩れも早いです。初期の賃料が8万円であったならば、5年後には5万円前後まで下がります。

偽メリット③:赤字でも節税できる

たまに、「赤字にしておけば節税できますよ。」という営業マンもいます。何となく「それならいいかもしれない!」と思ってしまう人もいるでしょう。ですが、あなたの目的は何ですか?

不動産投資の目的は、収益を上げて、毎月家賃収入を得ることです。赤字を垂れ流して、節税に勤しむことではありません。目的を見失わないようにしましょう。

新築ワンルームマンションはキャッシュフローが致命的に悪い

新築ワンルームマンションはキャッシュフローが致命的に悪い

新築ワンルームマンションはキャッシュフローが致命的に悪い

新築ワンルームマンションの偽メリットについて解説しました。メリットっぽいことが、すべてメリットでも何でもないということ理解いただけたでしょうか。メリットがないのは分かったけれども、それだけで最悪とは言いすぎだと思ったかもしれません。ですが、最悪です。

新築ワンルームマンションが最悪な投資である理由は、たった1つです。キャッシュフローが致命的に悪いのです。不動産投資の99%はキャッシュフローといってもよいほど、キャッシュフローは重要な要素であり、キャッシュフローが悪いというのは収益物件ではないということです。

あなたの手元に軍資金として1億円ほどあるのであれば、購入してもいいでしょう。ですが、不動産投資をこれから始めるのであれば、そこまでの資金は手元にないでしょう。資金が十分にないときにキャッシュフローの悪い物件を購入してしまうと、すべての投資がストップします。

仮に賃料が5万円だったとします。そのうち、管理費や修繕積立金で少なくとも1万円は出て行くでしょう。資金が十分にないので、頭金なしのフルローンを活用しました。月々の支払いは3.5万円です。

この状況であれば、月々5,000円のリターンがあるので黒字かもしれません。ですが、月々5,000円のリターンしか生まない物件で、投資資金を回収するのに何年かかりますか?月々5,000円しか生まない収益性の悪い物件では、銀行に担保にして次の借入をしようにも承認されないでしょう。

実際には、固定資産税などの税金もかかります。また、賃料は数年以内に急落するでしょう。そうなれば完全に赤字です。月々3万円ほど赤字になる爆弾物件を保有するのは、成功でしょうか?

遠隔地を狙うべきたった1つの理由

遠隔地を狙うべきたった1つの理由

遠隔地を狙うべきたった1つの理由

新築ワンルームマンションが最悪の投資であるたった1つの理由は、キャッシュフローが致命的に悪いということでした。キャッシュフローが悪い物件とは、収益性が悪い物件であり、担保価値さえ生まない負債でしかありません。借金を担保に、新しい借金ができるわけがありません。そして、今まで解説してきたことこそが、あなたが遠隔地(=地方)の物件を狙うべきたった1つの理由です。

割安でキャッシュフローの良好な物件は地方にしかない

都会で物件を購入するときには、本当にいろいろな人や会社が関与しています。ひとつひとつは小さな積み重ねですが、最終的には大きな積み重ねが完成します。積み重なった他者の利益を一手に引き受けるのが、都会の物件の買主です。貧乏くじを引いているのは、誰の目にも明らかです。

では、地方の物件では貧乏くじを引くことがないのか?というと、そんなことはありません。ですが、都会に比べると割安で良好なキャッシュフローを生み出す物件を見つけやすいのが地方です。

都会に比べると、地方は中間業者の数はぐっと減ります。非常にシンプルな取引が行われますし、ときには売主直ということもあります。キャッシュフローは、シンプルに言えばプラスとマイナスの差額ですから、マイナスが小さくなればキャッシュフローは大きくなります。

遠隔地で不動産を所有するリスク

とはいえ、遠隔地で不動産を所有することにはリスクがあります。リターンが大きいわけですから、リスクも大きくなるのは当然です。ですが、リスクはコントロールできるものであれば怖がるものではありません。

地方の物件では、当たりとはずれが存在するのは事実です。ですが、都会とは違って、地方には当たりを引くチャンスがあるのです。では、はずれを引かないためにはどうすればよいのか?それはリスクを理解して、慎重な投資を行うことです。

人口減少による空室

代表的なリスクとして、地方では人口が減っているので空室のリスクがあります。ひどいところでは、空室率3割を上回るケースも見受けられます。このような物件を購入してしまうことは絶対に避けなければいけません。

ですが、人口が減少しているところがある一方、人口が増加している地方というのも存在します。コンパクトシティ構想の影響や地域活性化に成功しているようなエリアでは、安定的な成長が見込めるのです。人口の調査は簡単にできますので、必ずチェックしましょう。

偏った需要

基本的に、地方の需要はとても偏っています。あるエリアでは人が多く集まっているが、別のエリアではとても閑散としている。それも車で15分程度の距離の違いしかないのに、明らかな差が出ているということがよくあります。

これらは地方のコミュニティがいかに形成されているかに起因しています。都会のように仕事があふれかえっていて、どこでもいいから人が活動するスペースを開発しなければいけないということは地方ではありません。地方では、大きな工場や学校など仕事を供給している主要な施設というものがあります。これらが需要の偏りを生み出すのです。

だからといって、大きな工場や学校の近くにある物件を買えばいいのかというとそうではありません。需要の偏りを見極めて、需要の頂点付近を目指すと大怪我をします。需要の偏りを見極めて、需要の重なりを見つけることが重要なのです。

新築物件の増加

地方では、土地の価格がとても安く、土地も余っています。このような状況に付け入るように、大手デベロッパーは地主などに積極的な営業をかけています。相続税の節税対策に新築アパートを建てませんか?というような話です。

これらの物件を買わなければいいという話ではありません。これらのアパートが乱立しているエリアは、供給過多になっているエリアです。需要に対して、供給が上回れば、価格が下がっていくのは経済学の基本です。後発で供給されたアパートによって、需要を食いつぶされるリスクについても考えましょう。

情報力でリスクをコントロールする

不動産投資の成功は、どれだけ情報を収集できるかにかかっています。収集した情報を整理して、正しい情報に従って正しい判断をすることが何よりも大事です。上にあげたようなリスクはすべて調査によって回避することができます。

情報を集める方法は人ぞれぞれで、現地に足を運ぶ投資家の方もいます。現地に足は運ばないものの、得られるデータはすべて収集して、数字で判断する投資家もいます。どの方法が正解というものではありません。

ですが、成功している投資家は絶対におさえているポイントというものがあります。必ず明らかにしておくべきポイントさえ外すことがなければ、あなたのもとに成功は近付いてくるでしょう。


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