アパート・マンションを建てる
土地が用意できたら、アパート・マンションを建てます。
アパート・マンションを建てるときに考えるべきことは、
- だれがターゲットなのか?
- 周辺にはどんな物件があるのか?
- いつ売却する予定なのか?
の3つです。
どれが抜けてもいけません。
逆に、この3つがしっかり考えられていれば、そうそう大失敗にはなりません。
難しい言い方をすれば、需要と供給のバランスということなのですが、もっと簡単に考えてください。
投資用物件とマイホームを混同しない
とくに、アパート・マンション経営をはじめてしようとしている人に多いですが、投資用物件とマイホームは違います。
マイホームを建てるかのように、ふわふわとした夢見がちな建築プランに魅せられて、立派なアパート・マンションを建てるのは間違いです。
やや誤解を招く言い方かもしれませんが、アパート・マンション経営で狙うターゲットは、
- マイホームを建てる余裕がない人
- マイホームを建てる時期ではない人
のどちらかです。
ターゲットにとっても「仮の住まい」でしかないのです。
悪徳業者に騙されて失敗するパターンのほとんどは、夢見がちな建築プランが原因です。
ターゲットに応じたアパート・マンションを建てる
ターゲットが住みたいと思うアパート・マンションを建てましょう。
考えることの例を挙げると、
- 構造(木造・鉄骨など)
- 部屋の間取り
- 設備(エレベーター・モニターフォンなど)
- 駐車場
- 通路(中通路・外通路)
などがあります。
男子大学生がターゲットの場合
男子大学生がターゲットであれば、
条件 | 内容 |
構造 | 鉄筋鉄骨 |
部屋の間取り | 1LDK |
設備 | モニターフォン |
駐車場 | 少なめ |
通路 | 外通路 |
といった内容になります。
(※あくまでも一例です。)
男子大学生であれば、自室に友達を招いて、遊ぶこともあるでしょう。
近隣への騒音トラブルを防止するために、鉄筋鉄骨造にすることで、退去率を下げられる可能性があります。
一人暮らしなので、あまり広い部屋は必要ないでしょう。
アパート・マンションを借りる大学生であれば、県外からの引越者も多いので、モニターフォンがあった方が安心して暮らせます。
とはいえ、あまり高層階でもない限り、足腰は強いはずなのでエレベーターはいらないでしょう。
都会・地方にもよりますが、駐車場は少な目でよいかもしれません。
どうしても足りない時には、近隣の駐車場を借りて、歩いて帰ってくるくらいの若さはあるはずです。
冬の寒さに負ける年齢でもないので、エレベータ同様、中通路ではなく外通路で十分だと考えられます。
土地の立地条件を選ぶ時のように、ターゲットに合わせた取捨選択をしていくのがポイントです。
何でも付ければいいわけでもありませんし、逆に削りすぎてもいけません。
ターゲットに必要なものだけを加えていくという考え方です。
必要条件なので、欠いてはいけない部分まで取り除いてしまわないようにも注意しましょう。
周辺物件との競合優位性を意識する
周辺にあるアパート・マンションがどのような建物なのかに合わせて、あなたが建てる予定の建物について考えます。
先ほどの男子大学生の例でいえば、駐車場は少なめに設定しました。
しかし、周辺物件も駐車場が少なめで、近隣駐車場もあまりないという場合であれば、駐車場を広めに用意してもいいかもしれません。
あくまでも、
- 周辺物件と比較して競合優位性が出るオプション
- ターゲットにとって魅力的なオプション
の両方を満たさなければ意味がありません。
間違えて中通路にしたり、エレベーターを設置したとしても、高い費用対効果を望むことはできません。
「なくてもいいけど、あったら嬉しい」なので、収益と費用のバランスを加味して決めましょう。
アパート・マンションを手放す時期を考える
出口戦略を意識して、建てるアパート・マンションを考えます。
アパート・マンションを売るタイミングには、
- 建築が終わった直後
- 建築が終わり、満室になった直後
- 経営を始めて、一定の時期が経過した時
- 解体のタイミング
などがあります。
不動産投資をしてみたい人の中には、
- 絵は描けるけれども、実際にどうしていいのかわからない不動産投資初心者
- 絵も描けない不動産投資初心者
がいます。
不動産投資初心者に照準を絞った出口戦略を練る場合には、
- 建築が終わった直後
- 建築が終わり、満室になった直後
の売却が理想的です。
ターゲット目線で考えれば、「コレが欲しかったんだ!」が十分に満たされているので、付加価値を付けることができます。
建売業者の感覚で出口戦略を考えると、うまくいきやすいでしょう。
不動産投資の経験がある程度ある人を対象に出口戦略を考える場合には、
- 経営を始めて、一定の時期が経過した時
- 解体のタイミング
での売却が理想的です。
一定の期間が経過していれば、投資実績について具体的な数字を提示することができます。
解体のタイミングで売却する場合には、長期間にわたる投資実績が数字として残っているので、安心して再投資できるか判断するのに大いに役に立ちます。
キャッシュフローをどのようなペースで回したいのかなども加味して、建物について考えてみてください。
ですが、中盤~終盤での売却を検討しているのであれば、鉄筋鉄骨を視野に入れる必要があります。
経年劣化などを加味して、建物に価値が残っているかどうかが重要になるからです。
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