アパート・マンション経営の費用
アパート・マンション経営の費用は、
- 空室等損失
- 貸倒れ損失
- 維持管理費
- 水道光熱費
- 修繕費
- プロパティマネジメントフィー
- テナント募集費用等
- 公租公課
- 損害保険料
- 原資
です。
空室等損失
空室等損失とは、運用期間中の空室期間を想定した損失です。
稼働率が80%であれば、20%分が空室等損失になります。
合計12部屋のアパート・マンションを、家賃10万円で、15年間運用し、空室率を20%想定したとすれば、
12部屋 × 10万円 × 12ヵ月 × 15年間 × 20% = 4,320万円
の空室等損失が生まれます。
貸倒れ損失
貸倒れ損失とは、賃貸部分の貸倒れ(未払いなど)による損失です。
合計12部屋のアパート・マンションを、家賃10万円で、15年間運用(稼働率100%)し、1%の貸倒れが起きれば、
12部屋 × 10万円 × 12ヵ月 × 15年間 × 100% × 1% = 216万円
の貸倒れ損失が生まれます。
維持管理費
維持管理費とは、アパート・マンションの管理(建物・設備、清掃など)に定期的に要する費用です。
軽微な修繕や大規模修繕などの一時的な費用は含みません。
合計12部屋のアパート・マンションに、1部屋あたり1万円の維持管理費がかかり、15年間運用したとすれば、
12部屋 × 1万円 × 12ヵ月 × 15年間 = 2,160万円
の維持管理費がかかります。
水道光熱費
水道光熱費とは、アパート・マンションにかかる生活インフラ(電気・ガス・水道など)の費用です。
アパート・マンションの水道光熱費が月々10万円かかり、15年間運用したとすれば、
10万円 × 12ヵ月 × 15年間 = 1,800万円
の水道光熱費がかかります。
修繕費
修繕費とは、建物の修繕(大規模修繕などを含む)のために支出した費用です。
合計12部屋あるアパート・マンションの定期的な修繕費が月々5,000円かかり、一度だけ500万円の大規模修繕をし、15年間運用したとすれば、
(12部屋 × 5,000円 × 12ヵ月 × 15年間) + 500万円 = 1,580万円
の修繕費がかかります。
プロパティマネジメントフィー(PMフィー)
プロパティマネジメントフィー(PFフィー)とは、アパート・マンションの管理委託料です。
合計12部屋あるアパート・マンションのPMフィーが、1部屋あたり賃料の3%かかり(賃料10万円)、15年間運用したとすれば、
12部屋 × 10万円 × 12ヵ月 × 3% × 15年間 = 648万円
のPMフィーがかかります。
テナント募集費用等
テナント募集費用等とは、賃貸部分に空きがでたときにかかる斡旋費用です。
空室を1つ埋めるのに、10万円の経費がかかるとします。
アパート・マンションを15年間運用して、空室による募集を35回したとすると、
35回 × 10万円 = 350万円
のテナント募集費用等がかかります。
公租公課
公租公課とは、固定資産税などアパート・マンション経営にかかる税金です。
公租公課は、節税策や税率の変動によって変わるので、モデルは無視します。
損害保険料
損害保険料とは、アパート・マンションにかける保険の保険料です。
損害保険料は、かける保険の種類や条件によって、保険料が大きく異なります。
モデルでは、総額で300万円の保険料がかかったと想定します。
原資
原資とは、アパート・マンションの建設などにかかった費用です。
- 土地購入費用
- 建物建設費用
- 建物解体費用
などをいいます。
モデルでは、解体費用も含めて1億円かかったと想定します。
総支出
総支出とは、すべての支出を合計した額です。
各項目で使用した例をまとめると、
項目 | 金額 |
空室等損失 | 4,320万円 |
貸倒れ損失 | 216万円 |
維持管理費 | 2,160万円 |
水道光熱費 | 1,800万円 |
修繕費 | 1,580万円 |
プロパティマネジメントフィー | 646万円 |
テナント募集費用等 | 350万円 |
損害保険料 | 300万円 |
原資 | 10,000万円 |
総支出 | 21,372万円 |
となり、総支出は、「21,372万円」になります。
アパート・マンション経営の総収益
総収益とは、アパート・マンション経営を通じて得た収益額です。
総収入から総支出を差し引いて、残った金額が総収益です。
モデルでは、
- 総収入:36,784.8万円
- 総支出:21,372万円
だったので、
36,784.8万円 - 21,372万円 = 15,412.8万円
が、総収益となります。
15年間の運用なので、年間およそ1,000万円の収益が生まれていたことになります。
実際には、想定外のことも起こりえます。
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