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中古住宅の査定額は「築年数」で8割決まる

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不動産業者に査定を依頼したが「提示された額に納得がいかない!」とお悩みでしょうか。長年過ごした家だったりすると、愛着があるのでひいき目にみてしまうものです。ですが、不動産業者もプロなので、間違いのない価格を提示する責任があります。

今回は、中古住宅の査定額が決まるプロセスを解説します。すべての不動産屋さんに共通するわけではありませんが、基本は一緒です。各社少しずつ強みや方針が違うので、差が生まれます。

記事の後半では、差が生まれる理由についても少しだけ触れます。いわゆる特色なのですが、あなたの業者選びにも関係するので知っておいて損はないでしょう。

この記事からわかること

  • 中古住宅の査定額決定プロセス
  • 業者ごとの特色について

公的価格を調べる

公的価格を調べる

中古住宅の査定をするときには、まず「公的価格」を確認します。公的価格とは、地価公示価格・路線価・固定資産税評価額などの不動産鑑定士が関与している公的な不動産価格のことです。

査定をするときに、とくに利用されるのは「路線価」です。毎年7月1日になると新しい路線価が公開されますが、土地の最低価格として考えられています。路線価の見方については、以下の記事を参考にしてください。

路線価の調べ方および㎡単価⇔坪単価の計算方法
路線価の調べ方(および㎡単価⇔坪単価の計算方法)

土地を売りたい、土地を買いたいなど、いろいろな事情で路線価を調べる必要があるときがあります。ときには相続の関係ということもあるでしょう。路線価は、土地がいくらなのか調べる代表的な指標です。
今回は、路線価の調べ方について解説します。路線価図から目的地を探す方法から、実際に路線価を導き出すまでの解説です。路線価図は白地図に近いので、初見の方にはあまり優しくない地図です。一緒に頑張りましょう。

路線価がわかったら、参考価格として路線価を記載し、2割増しなどをして売り出し価格のベースとします。路線価が坪10万円だとしたら、売り出し価格は坪12万円にするという具合です。

割り増しをする率は、周辺環境などによって変化します。駅近くであればプラスに働きますし、間口が狭ければマイナスに働く感じです。裁量は担当者の経験や勘によるところが大きいです。

建物の価格を割り出す

建物の価格を割り出す

もっとも関心の高いところかもしれません。中古住宅の査定なので、土地とは別に「建物の価格」を出さなければいけません。さて、この価格はどうやって出されているのでしょうか?

基本的には「当初価格と築年数」のみが考慮されます。途中でリフォームが実施されていると、リフォーム費用が上乗せされます。

当初価格とは、新築されたときの価格のことです。建物請負契約書に3,500万円と記載されていれば、3,500万円が当初価格です。

築年数は、新築時から何年経っているかということですね。法定耐用年数を使って、経年劣化などを簡易的に計算します。木造住宅であれば27年~35年、RC造では50年で考えます。

当初価格が3,500万円、築10年の木造住宅だったとします。以下のような計算をします。

計算式

3,500万円 × (35年 - 10年) ÷ 35年 = 2,500万円

路線価を基準に計算した土地価格と、今回計算した建物価格を足して終わりです。このあとにも実勢価格などを勘案するのですが、この段階で査定額の8割は決定しています。

閑話休題

長く業界にいると不思議に思うものですが、査定では法定耐用年数を使うのが一般的です。しかし、税制などを少しかじったことがあればわかるのですが、法定耐用年数は減価償却のための指標でしかありません。

当たり前ですが、腕の良い職人が建てた家と腕の悪い職人が建てた家では傷むスピードは違います。入居後の手入れによっても変わります。住宅ローンを組むために銀行が法定耐用年数を採用したことなど色々な要因があるのですが、おかしな話です。

とはいえ、日本の中古住宅市場に常識として認められてしまった事実は中々変えられないので、現状は受け入れるほかにありません。

詳しく知りたい方は解決!空き家問題 (ちくま新書)がおすすめです。

不動産業者によって生まれる差

不動産業者によって生まれる差

いくつかの業者に査定を依頼すると、査定価格がバラバラになります。高い査定額を出してくる業者もいれば、安い査定額を出してくる業者もいます。これらの差は「市場の見方」によるものが大きいです。

依頼を受けた物件について、すでに買い手の目途がついていたり、得意な地域だと多少高く査定額を提示することができます。逆にあまりあてがなければ、安い査定額を提示せざるをえません。

できるだけ高い額で売りたいと思うのは当たり前なので、高い査定額を提示してくれた業者に依頼したくなるのが普通でしょう。しかし、ひとつだけ注意が必要です。

「物件を預かってしまえば、こちらのものだ!」と考えている業者が、わざと高い査定額を提示していることがあります。このような業者に預けてしまうと、損をするのは「あなた」です。

あくどい業者に依頼しないためには「査定額の根拠をできるだけ詳しく聞くこと」が重要です。説明があいまいだったり、はぐらかすような業者は信用できません。

業者の裏側について営業マンなどと話をする前に知っておくならプロだけが知っている! 中古住宅の選び方・買い方がおすすめです。買い手に向けた本ですが、不動産業界の内情について、かなり詳しく暴露されています。


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