中古住宅の資産価値が、どのように推移するのかについて解説します。
中古住宅の資産価値について、
- 土地の資産価値
- 建物の資産価値
にわけて解説します。

中古住宅を選ぶときには、あまり資産価値にとらわれないようにしてください。
基本的に「土地の資産価値」しか残りません。
だからといって「土地の資産価値」に気を取られすぎると「一生買えないジレンマ」に陥ります。
重要なことは「あなたが満足できること」です。
さらに詳しく
中古住宅の購入ガイドでは、
- 良い中古住宅の効率的な見つけ方
- 割安・割高をしっかりと見分ける方法
- すこしでも安く中古住宅を購入する方法
- 中古住宅にかかる全費用(購入後も含めて)
- 売却や建て替えに適した費用性の高い築年数
など、より賢く、よりお得に、中古住宅を購入する方法についてまとめています。
土地の資産価値
上記は、国土交通省が公表している「平成30年地価公示の概要」から「変動率の推移」について抜粋した資料です。
今後、どのような動きをするのかはわかりませんが、平成7年度以降、下落幅はおよそ5%以内にとどまっており、資産価値への影響は弱めであることがわかります。
(※予測が目的ではないので、今後どのような動きをするのかについては言及を避けます。)
たとえば、1,500万円の土地(50坪・坪30万円)について、
時間 | 変化率 | 資産価値 |
0年目 | - | 15,000,000円 |
1年目 | -5% | 14,250,000円 |
2年目 | -3% | 13,822,500円 |
3年目 | -3% | 13,407,825円 |
4年目 | -3% | 13,005,590円 |
5年目 | -3% | 12,615,422円 |
6年目 | -2% | 12,363,113円 |
7年目 | -1% | 12,239,482円 |
8年目 | 0% | 12,239,482円 |
9年目 | +1% | 12,361,877円 |
10年目 | +1% | 12,485,496円 |
といった動きをした場合、10年後におよそ250万円資産価値が下がっている計算になります。

あくまでも平均的な動きにあわせた推移です。
土地の価格は「需要」に大きく左右されます。
基本的に、
- 需要がある土地:値下がりしにくい
- 需要がない土地:値下がりしやすい
となります。

むずかしくてよくわからないけど、どういう土地を選ぶといいの?

あくまでも個人的な考えですが、
- 人口
- 立地条件
を意識するのが大事です。
次章ですこし詳しく解説してみます。
土地の資産価値を維持するカギは「人口」と「立地条件」
土地の価値は「人口」に大きく左右されます。
土地は数に限りがあるので、
- 人口が増える → 買いたい人が増える → 土地の価値が上がる
- 人口が減る → 買いたい人が減る → 土地の価値が下がる
となります。
さらに「立地条件」によって、
- 立地条件が良い → 買いたい人が多い → 土地の価格が高い
- 立地条件が悪い → 買いたい人が少ない → 土地の価格が安い
という違いが出ます。

「人口」が大事なら、都会しかダメってこと?

そんなことはありません。
地方であっても、地域によっては人口の増減に差があります。
同様に、都会であっても、人口が減っているところはあります。
自分が住みたいと考えている地域で「今後も良さそうなところはどこか?」を考えるのが大事です。
自治体がしっかりしているとかですね。

だったら、
- 子育て支援がしっかりしている
- 商業施設が豊富で、住みやすい
みたいな、身近なことを意識した方がいいのね。

そういうことです。
まずは人気のある地域を選ぶことが大事です。
あとは予算の許す限り「立地条件」のよい土地を選びましょう。
すこし誤解を招くかもしれませんが、合コンにおいて、
- いい会社に就職している(グループの選定)
- 落とせそうな男子(個別の選定)
を狙うのに似ているはずです。
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建物の資産価値
結論から入りますが、建物の資産価値は「築20年前後でゼロ円になる」と考えてください。
建物の価値は、
築年数 | 建物の価値 |
新築当初 | 建物価値:100% |
築1年 | 建物価値:80% |
築5年 | 建物価値:70% |
築10年 | 建物価値:60% |
築15年 | 建物価値:45% |
築20年 | 建物価値:30% |
築30年 | 建物価値:0% |
といった落ち方をします。

築20年のときには、建物の価値が30%残っているのにゼロ円なの?

新築当初2,000万円の建物だった場合、築20年が経過した時の価値は「600万円」です。
しかし、ほとんどの建物は、築20年付近で大きなリフォーム工事を施す必要に迫られます。
ですので、結局、リフォーム費用を考えると「価値はゼロ円」となるのです。

何か資産価値を維持する対策はないの?

対策がないことはありませんが、おそらく無駄です。
建物については、資産価値は忘れてください。
資産価値を考えるよりも、
- より長く暮らす
- より安く暮らす
- より快適に暮らす
ために、こまめにリフォームを施すことが大事です。