不動産投資 コラム

不動産投資で「不労所得」は手に入らないが、「富み」は手に入る。


世の中には、株式投資、FX投資、債券投資など色々な投資があります。不動産投資も数ある投資のひとつであり、不労所得を得ることができると言われています。しかし、果たして不動産投資で本当に不労所得を得ることはできるのでしょうか?

本記事では、そもそも不動産投資とは何か?について深堀していきます。不動産投資をするのに利回りなどの専門用語と簡単な算数を理解することは大事なことです。しかし、不動産投資の本質はもっと別のところにあります。

ややこしい数字のことはひとまず忘れて、不動産投資で儲けるということについて一緒に考えてみましょう。


不動産投資とは、不動産を経営すること

不動産投資とは、不動産を経営することです。不動産投資は「買う・運用する・売る」というサイクルで構成されますが、他の投資に比べて「運用する」が重視される傾向があります。

株式投資では、株を購入します。株を購入することは、企業の労働力(社員など)を購入することであり、投資対象は企業です。株の投資対象(企業)を運用するのは、企業の経営者です。

不動産投資では、不動産を購入します。土地、一戸建て、マンションなどいくつか種類はありますが、投資対象は不動産です。不動産投資の投資対象(不動産)を運用するのは、あなたです。

不動産投資で儲かるかどうかは、あなたの経営手腕にかかっているといっても過言ではありません。

不動産投資による利益は「不労所得」ではない

不動産投資家というと、カッコよさげで、難しそうな印象を受けます。しかし、昔からある言葉を使えば、不動産投資家とは、大家・地主・不動産業者のことです。賃貸経営・駐車場経営・建売などの手法を使ってお金を儲けています。

わたし自身、不動産業者ですし、日ごろから大家さんや地主さんとお付き合いもしています。わたしの周りにはいないだけなのかもしれませんが、ひとりとして不労所得を得ている方はいません。どの方も所有物件の管理に一定の労力を割き、常に不動産について勉強し、知恵をしぼっています。

不動産投資で「不労所得」を得たいと考えているのであれば、諦めたほうがいいです。まったく労力を投じることなく儲けたいと本気で考えているのであれば、おそらく不動産管理業者などに利益を食いつぶされてしまうだけでしょう。しかし、不動産の勉強をしっかりして、知恵をしぼり、保有資産を大事に管理する気持ちがあるのであれば、不動産投資は、あなたに豊かさをもたらしてくれるでしょう。

不動産投資のリスクとリターン

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターンな投資」と言われますが、果たして本当でしょうか?

「買う」のリスクがとても高い(参入障壁が高い)

REIT(不動産投信)を除いて、不動産投資では「買う」リスクがとても高いです。株式投資では、最小購入単位はあるものの、数万円の資金でも買うことができます。しかし、不動産投資では、基本的に数百万円~数千万円のまとまった資金を投じる必要があります。

十分な資金があるのであれば、すべて自己資金で不動産を購入することができますが、ほとんどの方は「ローン(借金)」を組みます。借金を抱えてまで不動産投資をするということは、株式投資でいえば「信用取引(レバレッジ)」をしているのと同じです。このように不動産投資は、その他の投資に比べて「買う」段階で抱えるリスクが極限まで高くなります。

「売る」ことが難しい(資産流動性が低い)

明らかに資産価値が高く、投資家のみならず広く一般に需要がある不動産であれば、すぐに売って現金化することができます。しかし、資産価値が乏しく、需要が見込めない不動産は中々売れず現金化することができません。つまり、「買う」段階で失敗してしまった不動産は、すぐに売却して現金化したいが、資産価値が乏しいので、需要が見込めず「売る」のも難しくなります。

不動産投資では、不動産を次々に購入・運用・売却し、利益を膨らませていくことで富を形成します。いわゆる、不動産を転がすということです。とても大事なことですが、「買う」のに失敗し、「売る」ことができないと、次につなげる(転がす)ための資金が枯渇するので、不動産投資で儲けるためのサイクルが止まってしまいます。
(※当然、悪循環に陥っているときには銀行などからの融資も受けられません。)

不動産投資の醍醐味は「運用」にある

前章の話で終わってしまうと、「不動産投資なんてやるべきじゃない」と結論付けて終わりかと思います。しかし、不動産投資によって巨万の富を築き上げている人は多く、夢のようなサクセスストーリーは実在します。不動産投資で成功した人は、ただ運が良かっただけなのでしょうか?

不動産投資で成功するカギを握っているのは「運用」です。経営者の不動産の運用能力次第で、不動産投資は成功にも、失敗にも変化します。運用力が優れていれば、魅力が感じられない不動産でも、とたんに魅力的に生まれ変わり、大きな需要を呼び起こします。呼び起こされた需要こそが利益であり、需要を呼び起こす手段こそが「運用」なのです。

あなたがこれから不動産投資で富を得るために本当に大事なことなので、最後にもう一度書きます。あなたが不動産の勉強をしっかりして、知恵をしぼり、保有資産を大事に管理する気持ちがあるのであれば、不動産投資は、あなたに豊かさをもたらしてくれるでしょう。


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