住宅ローンの仮審査(事前審査)をはじめて受けるときには、なかなか落ち着かないものです。
不動産業者からは「軽い気持ちで受けてみませんか?」と言われますが、家を買うことができるのかはっきりと答えがでるので、怖いと感じた方もいるでしょう。
この記事では、住宅ローンの仮審査(事前審査)の通過後に不動産業者を変えてもいいのか?について、
- 不動産業者を変えても問題がないかどうか?
- 不動産業者が住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧める理由
- 不動産業者と金融機関(銀行)の関係が近い理由
- 特定の不動産業者への金融機関(銀行)からの優遇があるのか?
を解説しています。
さくっと要点を知る
- 住宅ローンの仮審査(事前審査)通過後でも、不動産業者を変えていい
- 不動産業者が住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧める理由は、あなたが顧客か確かめるため
- 不動産業者と金融機関(銀行)の関係が近いのは、利害が一致しているから
- 特定の不動産業者への金融機関(銀行)からの優遇は無視できるレベルでしかない
住宅ローンの仮審査(事前審査)が終わった後に、不動産業者を変えても問題はありません
家を購入しようと、
- 新築建売住宅
- 中古マンション
- 中古住宅
などを探していて、不動産業者に問い合わせをした場合、住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧められることがあります。
いずれの物件であっても、
- 仮審査(事前審査)が終わった後に、購入したい物件が変わった
- 仮審査(事前審査)が終わった後に、当該不動産業者よりも安い価格を提示している不動産業者が見つかった
など、不動産業者を変えたいと考えることがあります。
結論からいえば、住宅ローンの仮審査(事前審査)が終わった後に、不動産業者を変えても問題はありません。

- せっかく通った住宅ローンの仮審査(事前審査)に、次は通らないのではないか?
- いろいろしてくれた不動産業者になんとなく悪い気がする。
などと考えることがありますが、いずれも問題はありません。
不動産業者が住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧める理由
不動産業者が住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧める理由は、
- より強固な信頼関係を構築するため
- 物件を提案する幅(つまり、予算)を明確に把握するため
などが考えられますが、最大の理由は「顧客かどうかを確認するため」です。

野菜などを販売する場合には、数百円のことなので、いちいち確認する必要はありません。
しかし、不動産取引は、かなり高額の取引になるので、必ずしも相手に購買力があるとは限りません。
ですので、まずは「顧客」であるのかを確認する意味で、住宅ローンの仮審査(事前審査)を勧めるのです。
不動産業者から金融機関(銀行)を紹介されたからといって、影響はほとんどない
よくある勘違いですが、不動産業者から金融機関(銀行)を紹介してもらったから住宅ローンの仮審査(事前審査)に通った考える方がいます。
はっきりいって、関係ありません。
まったく関係がないとはいいませんが、影響は無視しても問題がないレベルのものです。
不動産業者と金融機関(銀行)の関係が近い理由
不動産業者と金融機関(銀行)の関係が近い理由は、利害が一致しているからです。
不動産業者からすると、
- 関係が構築されていると、融資金利などの優遇を得られる可能性が多少高まる
(※顧客に対して、好条件を提示することができる。) - 関係が構築されていると、融資実行の際の手続きなどがスムーズに行える
(※顧客の情報、物件の情報などが共有されているため)
といったメリットがあります。
金融機関(銀行)からすると、
- 最大の個人向け融資である住宅ローンを利用してくれる顧客を定期的に紹介してもらえる
(※住宅ローンは個人向け融資としては最大レベルのものなので、定期的な客付は成績への影響が大きい) - ほかの金融機関(銀行)のリアルな対応をいち早くキャッチできる
(※他行に流れてしまったときに、融資条件などを教えてもらえることが多い)
といったメリットがあります。
ですので、不動産業者と金融機関(銀行)の関係は、必然的に近くのです。
特定の不動産業者だから金利を優遇することは、ほとんど考えられない
金融機関(銀行)からすると、貸したお金がしっかりと回収できるのか?が最大の焦点になります。
ですので、
- 融資利用希望者の職業
- 融資利用希望者の年齢
- 融資利用希望者の勤続年数
- 融資希望利用者の年収
- 融資利用希望者の健康状態
- 融資利用希望者の家族構成
などが重要であり、特定の不動産業者からの紹介を受けたからといって、大きな影響を持つことはありません。

つまり、
- 定期的に住宅ローン案件を紹介してくれるから、間接的な営業ルートとして確保しておきたい
- 好印象を与えるために、営業担当者レベルでできることをしてみよう
- 上司にかけあって、少しだけ好待遇にすることはできないか聞いてみる
といった程度のものです。
ですので、融資金利に与える影響は極めて小さくなります。
当然、そもそも融資をしてはいけない人に対して、融資をすることは考えられません。
すでに通っている住宅ローンの仮審査(事前審査)は、ほかの不動産業者に変えても持ち越すことができる
住宅ローンの仮審査(事前審査)では、
- 融資利用の目的となる物件
(物件の価値、物件の価格) - 融資利用者の属性
(職業、年齢、年収など)
が、判断の軸となります。
ですので、不動産業者が変わったとしても、住宅ローンの仮審査(事前審査)結果に影響が出ることは、あまり考えられません。

金融機関(銀行)の立場から考えると、融資額が下がるということは、リスクが下がるということです。
100万円を貸し付けるよりも、10万円を貸し付ける方が、お金が買ってくる可能性は高いですよね?