低層住居専用地域では、3階建ての住宅を建てることはできます。
しかし、
- 容積率
- 日影規制
- 道路斜線制限
- 北側斜線制限
- 絶対高さの制限
によって、
- 建物の高さ
- 建物の形状
が影響を受ける可能性がある点に注意してください。

低層住居専用地域では、
- 日影規制
- 北側斜線制限
による制限がかなり厳しくなります。
また、容積率が最大でも200%しかないので、敷地面積も相応に広く確保しなければいけません。
そもそもが中高層の住宅を建てるためのところではないことに留意してください。
この記事における低層住居専用地域とは、
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
の両方を含んでいます。
低層住居専用地域の容積率
低層住居専用地域の容積率は、
第一種低層住居専用地域の容積率 |
50%、60%、80%、100%、150%、200% (※ 各自治体が都市計画で定める) |
となっているので、最大でも200%しかありません。
3階建ての住宅であれば、建物面積も大きくなるので、建築可能な面積を確保するためにも、かなり広く敷地を確保する必要があります。

いずれにしても、低層住居専用地域で3階建てを住宅を建てるのであれば、
- 日影規制
- 北側斜線制限
の関係上、通常の敷地面積の2倍〜3倍を確保する必要があります。
低層住居専用地域の日影規制
低層住居専用地域の日影規制は、
- 軒高が7mを超えるもの
- 地上3階以上のもの
のいずれかに該当する場合に適用されます。
(※ 用途地域の指定のない区域については、地方公共団体の条例で指定します。)
つまり、3階建ての住宅を建てる場合には、高さとは無関係に回数によって日影規制が適用されます。
日影規制の区域内にある建物は、夏至の日のAM8時からPM4時までの間において、それぞれ一定時間、隣接の平均時盤面から一定の高さおよび一定の距離のうちに日影を生じさせないようにしなければいけません。
(※ 北海道においては、AM9時からPM3時までになります。)

具体的な計算などについては、設計士に任せてください。
一般的な注意としては、
- できるだけ住宅が密集している土地を避けること
- できるだけ低い場所に位置している土地を避けること
です。
低層住居専用地域の道路斜線制限
低層住居専用地域では、道路斜線制限が適用されます。
前面道路の反対側境界線(つまり、渡って向こう側の歩道の端など)を起点にして、一定の角度で直線を引き、建物が直線に触れないようにしなければいけないルールです。

具体的な計算などについては、設計士に任せてください。
一般的な注意点としては、前面道路ができるだけ広いところを選ぶことです。
前面道路が広ければ広いほど、起点が遠ざかるので、建物の高さを出すことができます。
低層住居専用地域の北側斜線制限
低層住居専用地域では、北側斜線制限が適用されます。
隣地斜線制限では、全方位の隣地境界線を対象としました。
北側斜線制限では、北側の隣地境界線についてのみ、建物の立ち上がりの高さが5mを超える部分に適用されます。
北側の隣地境界線(地表面)から垂直に5m直線を引いたのち、一定の角度で直線を折り曲げ、建物が直線に触れないようにしなければいけないルールです。

具体的な計算などについては、設計士に任せてください。
低層住居専用地域の北側斜線制限は、建物の立ち上がりの高さが5mを超える部分から適用されるので、一般的な建物であれば、2階部分の中ほどで影響を受けることになります。
影響を最小限にして3階建ての住宅を建てるのであれば、
- 建物を北側には寄せないこと
- 敷地面積をかなり広く確保すること
を意識する必要があります。
低層住居専用地域の絶対高さの制限
低層住居専用地域では、絶対高さの制限が適用されます。
敷地面積などをどれほど広く確保したとしても、10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはいけない制限です。

絶対高さの制限が12mの場合には、3階建ての住宅であっても、各階の天井高をしっかりと確保できます。
しかし、絶対高さの制限が10mの場合には、3階部分の天井高について、それなりの制約がかかります。
とはいえ、平均的な住宅の天井高は「270cm前後」なので、よほど天井高を上げない限り、3階建てくらいであれば問題なく建てられる可能性はあります。
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