市街化調整区域の土地であっても、農地転用をして資材置き場にすることはできます。
ただし、
- 農地法
- 都市計画法
に注意が必要です。
ごく稀ではありますが、不動産業者から資材置き場として利用できると説明を受け、造成などを行なったのちに違反していることが発覚するケースがあります。
違反をした不動産業者は告知義務違反などで厳罰処分を受け、損害賠償責任などを負います。
(※ 宅建業免許の取消処分を受けてもおかしくない。)
とはいえ、厄介ごとが増えるので、余計な労力がかかるには違いありません。
以下、くわしい解説を続けますので、確認できる範囲でしっかりと行動して、物事を進めてください。
- 市街化調整区域とは
- 市街化調整区域の調べ方
- 市街化調整区域の用途地域は?
- 市街化区域と市街化調整区域の違い
- 市街化調整区域の不動産は売買できるのか?
- 市街化調整区域の中古住宅は購入してもよいのか?
- 市街化調整区域の土地を購入するときの注意点
- 市街化調整区域の住宅を建て替えるための条件
- 市街化調整区域の既存建築物は増築ができるのか?
- 市街化調整区域であっても住宅ローンが使えるのか?
- 市街化調整区域の既存宅地とは?
- 市街化調整区域の既存宅地は売買できるのか?
- 市街化調整区域での開発許可について
- 市街化調整区域で建築が許可される可能性がある建物
- 市街化調整区域で住宅を建てるには開発許可が必要なのか?
- 市街化調整区域で再建築をするときでも開発許可がいるのか?
- 市街化調整区域で農地転用をするための条件は?
- 市街化調整区域の農地転用は開発許可がいるのか?
- 市街化調整区域の土地を農地転用して資材置き場にできるのか?
市街化調整区域の農地を資材置き場にするときの農地転用
市街化調整区域の農地を資材置き場として活用する場合には、
- 農地法4条の許可
(※ 農地転用のみ) - 農地法5条の許可
(※ 農地転用および権利移動)
のいずれかが必要です。
農地を資材置き場にする時点で、農地転用は確定しているので、
- 資材置き場を賃貸する場合:農地法4条
- 資材置き場を購入する場合:農地法5条
のようになります。
いずれの許可を受ける場合でも、
- 農地転用の申請受付:農業委員会
- 農地転用の許可権者:都道府県知事または指定市町村の長
となります。
農業委員会に農地転用を申請し、農業委員会がまとめた報告書を受けて、都道府県知事または指定市町村の長が許可および不許可を決めるという流れです。
まずは申請が出されているか確認してください。
許可が出ていることが一番ですが、申請から許可までには月単位の時間を要する場合もあります。
申請で処理が止まっている段階で契約を結ぶことはおすすめできません。
市街化調整区域の農地を資材置き場にするときの開発行為
市街化調整区域の農地を資材置き場にするときには、
- 造成工事が必要な場合
- 造成工事が不要な場合
がありますが、埋め立てなど土地の形質変更が必要な場合には開発許可を受ける必要があります。
(※ 開発許可は都市計画法の範囲なので、都市計画課が担当します。)
市街化調整区域では、原則として、すべての開発行為が許可を要します。
(※ そもそも建物の建築を認めておらず、開発許可も受理しない意味合いが強いです。)
市街化調整区域以外の都市計画区域では、面積規定が設定されていますが、市街化調整区域には面積規定もありません。
(※ 一定規模以下の開発行為であれば、許可が不要になる特例)
市街化調整区域で何かを行う場合、農地法よりも都市計画法の制限を気にするべきです。
市街化調整区域が「市街化を抑制すべき区域」とされているので、基本的に活用そのものを認めない傾向にあります。
都市計画法について
- 都市計画法とは
- 都市計画区域について
- 市街化区域について
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