【専任媒介契約】契約の特徴

【専任媒介契約】契約の特徴

専任媒介契約について、契約の特徴を解説している記事です。

専任媒介契約について、

  • 専任媒介契約とは
  • 専任媒介契約の特徴

を解説しています。

このページでは標準専任媒介契約約款(国土交通省規定)をベースに解説を進めています。

さらに詳しく

各媒介契約の共通点については、不動産の売買における「媒介契約」を参考にしてください。

媒介契約の共通点には「消費者保護のために重要なこと」が多く記載されています。

専任媒介契約とは

専任媒介契約とは、不動産仲介業者に売却を依頼するときに行う契約で、

  • 売主(依頼者)
  • 不動産仲介業者

の双方にとって、専属専任媒介契約に次いで制約の強い媒介契約です。

専任媒介契約の特徴

以下は、専任媒介契約の特徴を表にまとめたものです。
(※ほかの媒介契約と異なる点です。)

専任媒介契約
業務処理状況の報告義務 あり
(2週間に1回以上)
指定流通機構(レインズ)への登録義務 あり
(媒介契約締結日の翌日から7日以内)
複数の不動産仲介業者との契約 不可能
自己発見取引の可否 可能

各媒介契約の共通点については、不動産の売買における「媒介契約」を参考にしてください。

媒介契約の共通点には「消費者保護のために重要なこと」が多く記載されています。

2週間に1回以上の頻度で、業務処理状況の報告する義務がある

専任媒介契約では、

  • 広告掲載状況
  • 問い合わせ件数
  • 案内件数

など、不動産仲介業者が、売主(依頼者)に対して、2週間に1回以上の頻度で業務処理状況を報告する義務があります。

また、報告をするときには、

  • 文書
  • 電子メール

いずれかによるものと定められています。

まごころう

不動産仲介業者によっては、電話など口頭での報告のみで終わらせるところがあります。

不動産業界全体では、電話など口頭での報告のみで終わることが多いと思いますが、違反です。

そもそも、業務処理状況の報告をしない(忘れている)ことも多いので、気をつけましょう。

ココに注意

専任媒介契約では、業務処理状況の報告を2週間に1回以上の頻度で、

  • 書面
  • 電子メール

のいずれかによって行わなければならない。

契約締結日の翌日から7日以内に、レインズ(指定流通機構)への登録する義務がある

標準専任媒介契約約款 第4条(宅地建物取引業者の義務等)より抜粋

広く契約の相手方を探索するため、目的物件につき、所在地、規模、形質、媒介価格その他の事項を、専任媒介契約書に記載する指定流通機構に媒介契約の締結の日の翌日から専任媒介契約に記載する期間内(乙の休業日を含みません。)に登録すること。

前号の登録をしたときは、遅滞なく、指定流通機構が発行した宅地建物取引業法 第50条の6に定める登録を証する書面を甲に対して交付すること。
(※1 甲とは、「依頼者」を指します。)
(※2 乙とは、「依頼を受ける宅地建物取引業者」を指します。)

専任媒介契約の場合には、契約締結日の翌日から7日以内に、指定流通機構(レインズ)に登録する義務があります。

また、指定流通機構(レインズ)への登録が完了した時には、指定流通機構(レインズ)から発行される登録証明書(宅地建物取引業法 第50条の6に定める登録を証する書面)を、売主(依頼者)に交付する義務があります。

ただし、専任媒介契約書によって定められているのは「指定流通機構(レインズ)への登録義務」についてだけなので、

  • 自社ホームページ
  • スーモ
  • ホームズ
  • アットホーム

などへの登録は不動産仲介業者の自由です。

まごころう

多くの不動産仲介業者では、専任媒介契約を結んでもらう代わりに、

  • 自社ホームページでの丁寧な取り扱い
  • さまざまな広告への優先的な掲載

を提示していることが多いです。

複数の不動産仲介業者との契約は不可能

専任媒介契約では、複数の不動産仲介業者との契約は「不可能」です。

自己発見取引が可能

標準専任媒介契約約款(自ら発見した相手方と契約しようとする場合の通知)から抜粋

甲は、専任媒介契約の有効期間内に、自ら発見した相手方と目的物件の売買又は交換の契約を締結しようとするときは、乙に対して、その旨を通知しなければなりません。

(※1 甲とは、「依頼者」を指します。)
(※2 乙とは、「依頼を受ける宅地建物取引業者」を指します。)

専任媒介契約では、

  • 自ら取引の相手方を見つけての取引(自己発見取引)

を成立させることは可能です。

ただし、契約を成立させたときには、遅滞なく専任媒介契約を結んでいた不動産仲介業者に通知してください。

通知を怠った場合、不動産仲介業者は、販売活動に要した実費(広告費など)について、約定報酬額(つまり、仲介手数料の額)を超えない範囲で請求する権利が生まれます。