住宅などを建築するときには、上下水道を引き込む必要があります。
上下水道の引き込み工事には、およそ50万円ほどの費用がかかります。
当然、工事の総額に上乗せされるので、すでに引き込まれている土地のほうがコスト削減を期待できます。
また、上水道の場合には、引き込まれているにしても「何mm管(口径)」なのかが気になることもあるでしょう。
未だに「13mm管」が引き込まれている土地は多いので、「20mm管」を検討している場合には、追加工事が必要になります。
この記事では、上下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する方法について解説しています。
- 正確な調査
- 簡易的な調査
の2つ紹介しているので、あなたの都合に合わせて、調査方法を選んでください。
この記事からわかること
- 【正確に】上下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する方法
- 【簡易的に】上下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する方法
上下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する方法
上下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認するには、各市町村の
- 水道局
- 企業局
を利用します。
水道局や企業局では、
- 上水道(飲み水など)
- 下水道(汚水など)
の管がどのようにして埋設されているのか記載されている図面が保管されています。
基本的には、一定のエリアごとに地図が作成されており、敷地ごとに配管の埋設状態が確認できます。
主に、
- 管が引き込まれているかどうか
- 管の口径(何mm管が埋設されているのか)
- 過去に埋設されていた記録があるかどうか
などが確認できます。
上水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する手順
上水道の引き込み状況(埋設状況)を確認するときには、
- 住宅地図
- 公図
- 登記事項証明書
など、不動産の位置が正確にわかるものを用意してください。
書類が準備できたら、
- 水道局
- 企業局
に持参します。
上水道の場合には、引き込み図が設置されているので、地図などを頼りに自分で調べます。
なかなか初見ではわかりにくいので、慣れない方は職員さんに見てほしいと頼んでみましょう。
見つけることができた場合、写し(コピー)が必要であれば、プリントを依頼します。
市町村によって対応は異なりますが、
- いくらかお金を支払って写し(コピー)を取得する
- 無料だが、名簿に名前などを記載して写し(コピー)を取得する
などによって取得することができます。
下水道の引き込み状況(埋設状況)を確認する手順
基本的に上水道と同じです。
- 住宅地図
- 公図
- 登記事項証明書
など、不動産の位置が正確にわかるものを用意してください。
書類が準備できたら、
- 水道局
- 企業局
に持参します。
下水道の場合には、図面が膨大なのか、エリアごとに分けられて、書棚に保管されていることが多いです。
市町村によっては「電子化」がすすめられていて、見やすくきれいになった図面をもらえることもあります。
書類をもって、窓口に直接足を運んでください。
職員さんに「この敷地への引き込み状況が知りたい」と話せば、調べてくれます。
上水道と同じように、写し(コピー)の取得には、有料・無料があるので、都度対応するようにしましょう。
上下水道の引き込み状況(埋設状況)を簡易的に調べる方法
深い調査が必要ではない場合には、
- 上水道
- 下水道
ともに、現地で簡易的に調べる方法があります。
それぞれ、
- 上水道を調べるとき:上水道の量水器を確認する
- 下水道を調べるとき:前面道路および敷地のマンホールを確認する
を行います。
量水器を確認する(上水道の簡易調査)
上水道が敷地に引き込まれている場合には、敷地のどこかに量水器が設置されています。
ホースの蛇口が埋まっているところには、鉄製のフタがされていると思います。
ホースの蛇口が設置されているところと同じように、上水道が引き込まれている場合には、
- 鉄製のフタ(量水器の記載あり)
- 青いプラスチックのフタ(量水器の記載あり)
が基本的に設置されており、フタを開くと、量水器が確認できるようになっています。
量水器を確認すると、引き込まれている管の口径(何mm管なのか)も確認できます。

- 長い間放置されていた敷地
- 建物を解体したあとの敷地
では、量水器ががれきに埋もれていることもあるので、角スコップ(鉄製)を持参すると役に立つことがあります。
前面道路および敷地のマンホールを確認する(下水道の簡易調査)
下水道が敷地に引き込まれている場合には、敷地のどこかにマンホールが設置されています。
敷地内にマンホールがない場合には、下水道が引き込まれていない可能性が高いです。
当該敷地を住宅用地などとして購入する場合には、下水道の引き込み工事が必要になります。
敷地内のマンホールが確認できなかった場合には、前面道路のマンホールも確認するようにしてください。
前面道路にマンホールが点在している場合には、マンホールの点在箇所に沿って下水管が埋設されています。
マンホールが点在していない場合、そもそも前面道路に下水管が埋設されていない可能性が高いです。
この場合、当該敷地に下水管を引き込むには、まず前面道路に下水管を埋設(延長)する必要があります。
道路内の下水管を延長する工事は、基本的に行政負担なので、工事費用を求められることはありませんが、工期が延びることは覚悟してください。

稀にですが、敷地内にマンホールが設置されていても「引き込まれていない」ことがあります。
バールを使ってマンホールのフタを開き、前面道路側に空洞(トンネル)ができているか確認してください。
空洞(トンネル)が前面道路側に向かって開通しているようであれば、おそらく引き込まれています。
完全に閉じ切っているような状態の場合、引き込まれていない可能性が高いです。