不動産投資 コラム

不動産投資で優良物件を見つける正しい方法


前回の記事では、不動産価格の決まり方と価格は水増しされていることについて解説しました。さて、不動産投資をすでにしている人も、これから始めるという人にも永遠の悩みがあります。優良物件はどうやって見つけるのか?という悩みです。

このことについて調べていると、様々な情報が飛び交うのでまるで正解がないように感じます。こういうルートもあるらしい!こんな見つけ方もあるのか!なんて具合にフラフラしてしまいます。ですが、投資に適した好物件を見つけるには特別なことは必要ありません。むしろ、特別なことをすればするほど遠のきます。

今回は、わたしの経験から得た優良物件の見つけ方について話をします。不動産投資の手法というのは無限のごとくあるように、ここで紹介する内容だけが正解ではありません。ですが、成功している不動産投資家さんが優良物件に出会うまでに共通することをまとめていますので、参考になる点は多いと自負しています。

【この記事からわかること】

  • 秘密の入手ルートはない
  • 不動産屋直の情報の危険性
  • 不動産投資で優良物件を見つける正しい方法

秘密の入手ルートはない

秘密の入手ルートはない

秘密の入手ルートはない

よくあるのが、「不動産投資に成功している人は、なにか秘密の入手ルートがあるに違いない。」と考える人がいることです。ですが、そのようなルートは存在しません。もっと正しくいうと、秘密の入手ルートだと考えてられているルートは、単純に努力不足で辿りつけていないルートというのが正解です。

不動産屋に物件の情報が入ったときに、特定の人にしか行き渡らない情報というものがあります。不動産会社としては、インターネットを活用したり、広告を出すことなく成約に至ることができれば、それに越したことはないのです。なぜなら、報酬(=仲介手数料)を折半することなく総取りすることができますし、広告費をかけなければ黒字分が大きくなります。

そういった営業努力を無駄に拡大することなく成約をするために、不動産屋はまず自社で抱えている顧客に直接物件情報を伝えるというやり方を取ります。この段階でも、Aランクの顧客・Bランクの顧客・Cランクの顧客などと分類されていて、情報が届けられる順番があることもあります。まるでVIP情報のように感じるかもしれませんが、それは勘違いです。

VIP情報の落とし穴

一般市場に出回る前に、良い物件の大半が成約に至ってしまうのも事実です。とはいえ、VIP情報を手に入れることができるようになれば成功確実か!といえばそうではありません。むしろ、大怪我をする確率はVIP情報経由の売買のほうが高いです。

なぜかというと、不動産屋からみていいお客さんとは何でしょうか?という質問にすべてが詰まっています。不動産屋も商売人です。商売人は自己の利益を最大化するように勤めます。ということは、不動産屋からみていいお客さんというのは、高く買ってくれるお客さんなんです。より具体的に言えば、勤務先がしっかりしていて・年収も高く・勤続年数も長いなど属性が良い顧客ということです。

属性が良い顧客というのは、住宅ローンなどを組むときにも審査に通りやすく、多少値段が高くとも買ってくれるのです。また「まだ市場に出ていない物件ですが、好物件なのでご紹介させていただきました。」といわれると、多少高くても手に入れてしまいたいと思うのが人間です。

市場の目にさらされていない

前回の記事でもお伝えしたように、売却価格を決定するのは市場(=あなた)です。冷静に考えるとVIP情報というのは、市場に一度も出たことのない危ない物件なんです。不動産屋と売主の思惑が色濃く出てる状態の値段ですので、損をする値段になっている可能性が非常に高いわけです。

このような物件に手を出してもいいのは、すでに不動産投資を一定期間続けていて、自分の中で確固たる成功法則が築けている人だけです。それ以外の人が、このような物件に手を出すと大怪我をさせられるのが目に見えています。あなたのためを思っていいますが、不動産投資の経験が浅いうちは一般的な市場に出回っているなかから掘り出し物を見つけるようにしましょう。

それでもVIP情報が欲しいあなたへ

それでもVIP情報が欲しいあなたが、情報を手に入れる方法は2つです。

1つは、直接不動産屋に足を運ぶことです。こまめに足を運んで、熱心に探している人というのを印象付ける必要があります。しかし、それだけでは足りません。買える人とも認識してもらう必要があります。せっかく覚えてもらっても、買えない人と思われていると相手にされません。

もう1つは、不動産投資会社を活用することです。各社強みがありますので、複数の不動産投資会社を活用したほうが良いでしょう。彼らから流れてくる情報は、あなたの代わりに彼らが不動産屋と関係を築いて得た情報ですので、時間を節約できます。

不動産投資で優良物件を見つける正しい方法

不動産投資で優良物件を見つける正しい方法

不動産投資で優良物件を見つける正しい方法

勘のよい方ならもうお分かりかとは思いますが、不動産投資に適した物件は一般的な市場から見つけます。インターネットのポータルサイト、不動産情報誌、新聞広告、チラシなどです。誰もがアクセスすることができる情報であり、すべての人に等しくチャンスがあります。問題はチャンスを見つけられるかどうかです。

チャンスを手にする方法

不動産投資で優良物件を見つけるには、とにかく数をこなすことです。ひとつでも多くの物件に目を通してください。といっても、ただ眺めるだけでは意味がありません。目を通すとは、あなたの投資基準を満たすものか見極めるということです。

不動産投資の入門編では、あまり深いところには突っ込んでいきませんが、インカムゲインやキャピタルゲインの見込みがどのくらいで、キャッシュフローがどうなりそうなのか。表面利回りがいくらくらいで、実質利回りがいくらになりそうなのかという作業をできる限りやります。重要なのは、どれも「予測」でしかないということです。

予測ということは、外れる可能性もあるということです。この外れる可能性こそがリスクなのです。そして、その可能性が高い物件(=リスクが高い)こそリターンが高い物件になります。そのリスクをコントロールできるかどうかにすべてがかかっています。

ストレスをかけるとは

リスクをコントロール可能かどうか見極めるために、ストレスをかけるという作業がよく行われます。たとえば、表面利回りというのは入居率100%のときを想定した利回りです。ですが、実際に不動産投資をすると入居率100%というのは、そうそう実現できることではありません。

ですので、もしも入居率が90%だったらどうなるのか?80%だったらどうだろうか?75%だったら?というように条件を厳しくしていくことをストレスをかけると言います。ストレスをかけたときに出てきた数字が黒字であったり、ストレスをかけたことで赤字になっても対策すれば黒字に転換できるかどうかを探るのです。

どんな物件にも投資適正価格が存在する

この作業を繰り返すと、すぐに気付くことがあります。それは、すべての不動産には投資適正価格が存在するということです。一定のストレスをかけたことで得られた数値から逆算をすると、リスクに見合った不動産の適正価格が割り出せます。

不動産投資に適した物件かどうかというのは、結局、リスクに見合った適正価格になっているのかどうかと同じ意味なのです。一般の市場に出回っている不動産のほとんどは、不動産投資を主眼においているわけではありません。むしろ、ただ人が暮らすためのものとして値決めをされているのがほとんどです。だから、あなたが見極める必要があるのです。

また、投資適正価格の算出を行ったことで、買ってもいい値段が出てきます。すでに売り出し価格が買ってもいい値段より安ければ、即買いでしょう。でも、そんなことは稀です。ですが、売り出し価格が買ってもいい値段より少しだけ高いという物件は探すとあります。少しだけ高い不動産を値引き交渉やリフォームなどによって、投資適格なものにすることこそが重要なのです。

まとめ

秘密の入手ルートは存在しません。厳しい言い方ですが、それは情報を貪欲に得ようとする努力が欠けているだけです。まずはあらゆる情報にアクセスしようとする心構えを身に着けましょう。

不動産屋から直接紹介される案件というのは、良い物件があるのも事実です。しかし、諸刃の剣であり、大怪我をさせられる危険性があることをしっかり理解してください。経験の浅い人ほど、不動産屋に騙されます。

不動産投資に適した物件を見つけるには、とにかくたくさんの物件に目を通すことです。あなたの目で確認して、ひとつひとつに対して投資適格なのかどうか数字で見極めてください。投資適正価格との乖離が少ない物件を見つけたら、知恵を絞りましょう。それこそが不動産投資を成功させる王道です。


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