中古住宅の詳しい資料(図面など)がないと言われたときの対処方法について解説している記事です。
とても気になっている中古住宅があり、どうしても資料を手に入れたいという場合の対処法についてまとめています。
中古住宅を購入する前には、
- 建築設計図
- リフォーム図面
は、必ず確認しておきたい資料です。
中古住宅の状態を確認する意味もありますが、購入後のメンテナンスでもなくては困る資料になります。
「大丈夫って言っているし、いいか!」といった判断だけは絶対にやめましょう。
さくっと要点を知る
- 不動産業者の営業担当者は、住宅のことに詳しくない
- そもそも資料を提示してこない不動産業者とは、取引を継続すべきではない
- どうにもならないときには「建築計画概要書の閲覧制度」を利用する
さらに詳しく
中古住宅の購入ガイドでは、
- 良い中古住宅の効率的な見つけ方
- 割安・割高をしっかりと見分ける方法
- すこしでも安く中古住宅を購入する方法
- 中古住宅にかかる全費用(購入後も含めて)
- 売却や建て替えに適した費用性の高い築年数
など、より賢く、よりお得に、中古住宅を購入する方法についてまとめています。
不動産業者の営業担当者は、住宅のことには詳しくない
不動産業には、
- 開発・分譲業
- 流通業(仲介業)
- 賃貸業
- 管理業
など、様々な業態が存在します。
中古住宅の購入を検討している場合には、中古住宅流通業(仲介業)を営んでいる不動産業者と付き合いをすることになります。
中古住宅流通業(仲介業)では、
- 売主から中古住宅を預かる
- 中古住宅の資料を作成する
- 中古住宅の売買市場に情報を流すという
- 買主に中古住宅を売る
という流れで業務が進みます。
つまり、住宅を建てるということは一切しておらず、ほとんどの営業担当者が住宅のことをあまり詳しく知りません。
勘違いをしている方がいますが、家を建てる仕事は「建設業」です。
ですので、住宅のことに多少の見識があるとすれば、「開発・分譲業」のうち、建売住宅を扱っている不動産業者のみです。
建売住宅を扱っている不動産業者であっても、住宅の建設は建設業者に丸投げをしているケースもあるので、あまり知らないことがあるくらいです。
宅地建物取引士であっても、住宅のことは知らない
同様なのですが、宅地建物取引士であっても住宅のことはあまり知りません。
宅地建物取引士になるためには、
- 宅建業法
- 民法
- 法令上の制限(都市開発法など)
- 税制
の4科目について勉強をします。
いずれの科目であっても、住宅の構造などについては勉強をしません。
法令上の制限には、建築基準法も含まれます。
建築基準法を学ぶと聞くと、住宅のことに詳しくなると考えるかもしれませんが、ほぼ関係がありません。
宅地建物取引士試験で学習する建築基準法は、「その土地に建物を建ててもよいのか?」といった最低限の話です。
建築士が大学などで学ぶような建築基準法とは別物になります。
そもそも中古住宅の詳しい資料(図面など)がないと言ってきた不動産業者とは付き合うべきではない
中古住宅の詳しい資料(図面など)が提示できないと告げてきた不動産業者とは、そもそも付き合うべきではありません。
そのようなことを言う不動産業者は、
- 不動産のことにあまり詳しくない
- 調べることが面倒だと考えている
のいずれかです。
どちらのパターンにせよ、今後取引を進めていくとトラブルに発展する可能性が極めて高いです。
以降、中古住宅の詳しい資料(図面など)を取得する方法を解説しますが、特別難しいことではありません。
以下に紹介するようなことができない不動産業者に遭遇したのであれば、わたしは間違いなく取引をやめます。
中古住宅の詳しい資料(図面など)がないと言われたときの対処方法
中古住宅の詳しい資料(図面など)がないと言われたときには、
- 営業担当者に問い合わせをして、資料を入手してもらう
- ほかの不動産業者に問い合わせて、資料を入手してもらう
- 自分で調べて資料を入手する
のいずれかによって対処することになります。
資料を入手するための手間としては、基本的には、上から順番に簡単になります。
ただし、怠慢な不動産業者であった場合には、余計な手間になるだけかもしれないので注意してください。
営業担当者に問い合わせをして、資料を入手してもらう方法
営業担当者に問い合わせをして、資料を入手してもらうときには、
- 売主に問い合わせて、建築時の資料を取り寄せてください
- 建物の登記事項証明書を持参して、建築計画概要書の閲覧制度を利用してください
(※売主は建設業者がわからないと言っている場合)
のいずれかを伝えてください。
売主が施工主を知っている場合には、売主から施工主に問い合わせをすることで、各種資料の写しを入手することができます。
売主が施工主を知らない場合には、
- 建物の登記事項証明書を取得する
- 建築計画概要書の閲覧制度を利用して、施工主の情報を照会する
- 売主から施工主に問い合わせをしてもらう
となります。
建築確認概要書の閲覧制度は、建築確認が行われた建物について、県庁などに残っている記録を照会するための制度です。
建築確認概要書の閲覧制度を利用してもなお、資料が見当たらない場合には、
- 建築確認が行われていない建物
- 調査を面倒くさがっている
のいずれかになるので、購入すべき中古住宅ではありません。
図面などがない場合、リフォームなどでかなり困ることになるので、避けるのが無難です。
ほかの不動産業者に問い合わせて、資料を入手してもらう方法
不動産仲介業者が売主から物件を預かる場合には、
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
の3種類がありますが、一般媒介契約の場合、どの不動産業者でも対応することが可能です。
ほかの不動産業者に問い合わせをして、事情を話した上で、協力してくれる不動産業者を探しましょう。
依頼先の不動産業者が対応する手順は、先述した通りです。
自分で調べて資料を入手する方法
自分で調べて資料を入手する場合には、
- 登記事項証明書(または登記事項要約書)
- 公図(地番がわからない場合のみ)
を取得します。
登記事項要約書を取得した後に、
- 建築計画概要書の閲覧制度を利用して、施工主の情報を照会する
- 不動産業者に報告し、売主から施工主に問い合わせをしてもらう
となります。
登記事項証明書と登記事項要約書は、いずれの書類を取得しても問題ありません。
記載されている内容は同じであり、公な証明力があるかどうかが違うだけだからです。
少し調べる程度であれば、料金の安い登記事項要約書で問題ないでしょう。
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