不動産を売りたいと思っても、どの不動産業者に依頼するかを決めるのはとても難しいですよね。提示される査定額も各社ばらばらで、説明された内容も大差はない。どの業者もこぞって「専任媒介契約を結んでください!」と迫ってくる。
この記事では、不動産の売却を依頼するときの一般媒介契約の活用方法について解説します。あなたにとっても、業者にとってもベストな選択は専任媒介契約ですが、なかなか一社に絞るのも勇気が必要です。そんな悩みを解決してくれるのが一般媒介契約です。
[label title="" color="green" icon="icon-ok" text="この記事からわかること" class=""]
・一般媒介契約の活用方法
・一般媒介契約の注意点
専任媒介契約について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
迷って決められないときの一般媒介契約
一般媒介契約を結ぶタイミングは「一社に絞ることができないとき」です。いろいろな不動産屋さんに査定を依頼して、たくさん説明を受けたけれど、どれも同じような条件で一社に絞ることができない!ということはありえます。そんなときの様子見として一般媒介契約を使いましょう。
[label color="red" title="要注意" icon="icon-attention" text="一般媒介契約は良い結果には繋がらない"]
一般媒介契約を使うことで、あなたは複数の業者に売却依頼を持ち掛けることができます。しかし、業者からすれば「浮気な客だ」という印象を持たれるのは間違いありません。
わたしが一時期働いていた仲介業者でも、顧客ごとにファイルを作るのですが、一般媒介契約のお客様ファイルは下のほうに埋もれていました。広告を出す時でも、あまり売り物がなかったりして枠が余った時の賑やかしに使われる程度の雑なものでした。
インターネットで検索すると「一般媒介契約を使って、たくさんの業者に依頼しましょう!」という意見が見つかりますが、個人的にはアフィリエイト(一括査定サイトの利用促進)を目的とした無理やりな論調にしか聞こえません。最終的な選択は「あなたの自由」ですが、本気で売りたいのであれば真剣な一社とお付き合いするのが良いでしょう。
※一般媒介契約では売れないということではありません。もちろん、売れる物件は売れます。
一般媒介契約でも問い合わせは来る
一般媒介契約で売却の依頼をしても問い合わせは来ます。もちろん、問い合わせがくるような魅力を物件が備えていればです。物件に魅力がなかったり、条件の割には値段が高すぎるといった場合には、当然ですが問い合わせは来ません。
なぜ関係なく問い合わせが来るのか?ということですが、どんな不動産業者でも預かった以上は「レインズ」などに登録をします。レインズとは、不動産業者間で情報共有ができるシステムです。レインズに掲載されると、ほかの業者にも新しい物件が出たことが分かります。
いろいろな不動産業者が世の中にはいますが「一般媒介契約の物件が中核になっている業者」も存在します。一般媒介契約の物件は、専任媒介契約の物件に比べて、預かった業者自身が無頓着な傾向にあります。そこに狙いをつけて「撒き餌」に使おうとするのです。
例えば、Aという業者が一般媒介契約の物件を新たに登録しました。それを見つけたBはAに問い合わせて「自社ホームページで紹介してもよいか?報酬は折半(半分ずつ)でよいか?」と聞きます。Aの了承を得たBは、さっそくホームページに情報を追加して買い手を待ちます。
Bは売れたらラッキー、売れなくても気にしません。ホームページなどに新しい物件情報を追加したことで「お客さん」を呼び込んでくれる可能性は高まったからです。あなたの物件情報は、このような業者によって一般の人にも届くようになります。
ですので、あなたの物件が十分に魅力的であれば問い合わせは来ます。重要なのは「問い合わせが来たよ!という連絡をしてくる業者はどこか?」ということです。
力のある業者が見分けられる
先ほどのような特殊な業者を経由して問い合わせが来た場合には、しっかりした業者間ネットワークを築いている業者と判断することができます。
また、預けた業者が独自に持っている広告ネットワーク(自社ホームページや物件掲載サービスなど)経由で問い合わせが来た場合には、独自にも確かな販売力が築けているとわかります。
ここまで分かれば迷う必要はありません。力があると分かった業者と「専任媒介契約」を結びなおせばよいのです。