住宅ローンを新規に借り入れて家を購入する方は多いでしょう。
住宅ローンを借りて家を購入するときには、一定の要件を満たすことで「住宅ローン控除」を受けることができます。
数百万円以上の額が戻ってくるので、活用しないのはとてももったいないことです。
ただし、還付額については、最大額を目安にすると思わぬずれが生じるので注意してください。
この記事からわかること
- 住宅ローン控除について
- 住宅ローン控除の適用要件
- 控除額の計算方法
- 申告に必要な書類
- 住宅ローン控除に関する平成29年度の改正内容
住宅ローン控除について
住宅ローン控除について、
- 一般住宅の場合
- 認定長期優良住宅の場合
- 認定低炭素住宅の場合
にわけて解説します。
一般住宅の場合
個人が、
- 住宅の新築
- 取得
- 増改築等
をして、平成33年12月31日(平成28年11月改正により延長)までの間に居住の用に供した場合において、
- 返済期間10年以上の住宅ローンを有すること
- その他一定の要件を満たすときは、
その居住年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定の金額を所得税額から控除できます。
個人とあるのは、わたしたち一般消費者のことです。
住宅の新築と取得が同じだと思うかもしれませんが、取得は分譲住宅や中古住宅などを購入することを意味しています。
わたしたちが、
- 住宅の新築
- 取得
- 増改築等
をして、平成33年12月31日までの間に住むことが住宅ローン控除を受ける条件の1つです。
住宅ローン控除というからには、住宅ローンを組んでいなければ受けることはできません。
短すぎる住宅ローンでもダメで、10年以上で組む必要があります。
ほかにも要件があるのですが、細かいので後ほどまとめて紹介します。
あくまでも税制の優遇なので、銀行への支払いに自動的に充てられるといったものではありません。
年末の住宅ローンの残高に対して、一定の額が所得税の納税額から差し引かれるというものです。
住宅ローンの残高が多ければ多いほど、受けることができる控除額も高くなります。
しかし、所得税の納税額以上の控除は受けられないので、高所得者ほど受けられる控除額の最大額が高くなります。
認定長期優良住宅の場合
平成21年6月4日から平成33年12月31日(平成28年11月改正により延長)までの間に、
長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅に該当する家屋で一定のもの(以下、「認定長期優良住宅」という。)の
- 新築
- 建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得
をして居住の用に供した場合において、
- 返済期間10年以上の住宅ローンを有すること
- その他一定の要件を満たすときは、
その居住年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定の金額を所得税額から控除できます。
- 長期に使用するための構造及び設備を有していること
- 居住環境等への配慮を行っていること
- 一定面積以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
などの措置が講じられている住宅です。
具体的には、
- 耐震性
- 耐久性能(劣化対策)
- 維持管理・更新の容易性
- 住戸面積
- 省エネルギー性
- 居住環境
- 維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備)
などがあげられます。
Zero Energy House(ゼロエネルギー住宅)も、長期優良住宅のひとつです。
いろいろな長期優良住宅がありますが、国交省から認定を受けたものが「認定長期優良住宅」です。
「建築後使用されたことのない認定長期優良住宅の取得」という条件です。
ZEHなどの先進技術が使われている住宅は世間に浸透するまで時間がかかります。
そのため、販売促進のためにモデルハウスを建てて、実際に体感してもらって、購買につなげるという営業活動が活発に行われています。
モデルハウスの中には、宿泊体験などができる場合もありますが、内覧のみで「人が住んだことがないモデルハウス」がたくさんあります。
そのようなモデルハウスが「限定1棟!」などという形で売りに出され、購入した場合も住宅ローン控除を受けることができます。
あとは一般住宅のときと同じで、
- 返済期間10年以上の住宅ローン
- その他一定の要件
を満たせば、住み始めた年から10年間、年末の住宅ローン残高にあわせて所得税額から控除を受けることができるのね。
認定低炭素住宅の場合
平成24年12月4日から平成33年12月31日(平成28年11月改正により延長)までの間に、
都市の低炭素化の促進に関する法律に規定する認定低炭素住宅に岐東する家屋で一定のもの(以下、「認定低炭素住宅」)の
- 新築
- 建築後使用されたことのない認定低炭素住宅の取得
をして居住の用に供した場合において、
- 返済期間10年以上の住宅ローン有すること
- その他一定の要件を満たすとき
は、その居住年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定の金額を所得税額から控除できます。
なので、ZEHといえど、省エネ性しか満たせていないので長期優良住宅ではないものがたくさんあります。
対する、認定低炭素住宅は省エネ性だけが求められる高性能住宅です。
認定長期優良住宅に比べて低コストで建てることができるのがメリットです。
のちほど詳しく説明しますが、控除の内容に差はありません。
ですので、販売業者・購入者の双方にメリットが多い「認定低炭素住宅」の普及のほうが現状進んでいます。
あとは認定低炭素住宅と同じ条件が並ぶのね。
- 新築
- 建築後使用されたことのない認定低炭素住宅の取得
(モデルハウスの購入など)
を
- 返済期間10年以上の住宅ローンを組む
- その他の要件
を満たして購入し、住み始めれば、住み始めた年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて所得税額から控除を受けることができます。