所得税 不動産の税金

所得税の減税措置 - 住宅ローン控除:概要、改正内容(平成29年度)


控除額の計算方法

住宅ローン控除額の計算式は、

住宅借入金等の年末残高 × 控除率 = 住宅ローン控除額

です。(百円未満の端数は切捨て)

平成21年1月1日~平成25年12月31日に入居した場合

一般住宅の場合

居住年 住宅借入金等の年末残高 控除期間
(10年間)
控除率 最大控除額
年間 10年間
平成21年 5,000万円以下の部分 1年目~10年目 1% 50万円 500万円
平成22年
平成23年 4,000万円以下の部分 40万円 400万円
平成24年 3,000万円以下の部分 30万円 300万円
平成25年 2,000万円以下の部分 20万円 200万円

認定長期優良住宅の場合

居住年 住宅借入金等の年末残高 控除期間
(10年間)
控除率 最大控除額
年間 10年間
平成21年 5,000万円以下の部分 1年目~10年目 1.2% 60万円 600万円
平成22年
平成23年
平成24年 4,000万円以下の部分 1% 40万円 400万円
平成25年 2,000万円以下の部分 30万円 300万円

認定低炭素住宅の場合

居住年 住宅借入金等の年末残高 控除期間
(10年間)
控除率 最大控除額
年間 10年間
平成24年 4,000万円以下の部分 1年目~10年目 1% 40万円 400万円
平成25年 3,000万円以下の部分 30万円 300万円

平成26年1月1日以後に入居した場合

一般住宅の場合

居住年 住宅借入金等の年末残高 控除期間
(10年間)
控除率 最大控除額
年間 10年間
平成26年1月~3月 2,000万円以下の部分 1年目~10年目 1%  20万円 200万円
平成26年4月~平成33年12月 4,000万円以下の部分  40万円 400万円

認定住宅(認定長期優良住宅および認定低炭素住宅)の場合

居住年 住宅借入金等の年末残高 控除期間
(10年間)
控除率 最大控除額
年間 10年間
平成26年1月~3月  3,000万円以下の部分 1年目~10年目 1%  30万円 300万円
平成26年4月~平成33年12月 5,000万円以下の部分  50万円 500万円

計算例

ゆい
ごちゃごちゃと表を見てもよくわからないわ。
まごころう
そうですね。

例を用いて、実際にどうなるのか考えてみましょう。

条件

  • 平成29年4月に新築の建売住宅を購入し、すぐに入居した。
  • 一般住宅
  • 売買契約書の金額:4,000万円(土地2,000万円、建物2,000万円)
  • 自己資金    :1,000万円
  • 住宅ローン   :3,000万円
  • 月々の支払額  :10万円

計算例

平成26年4月~平成33年12月に一般住宅を購入しているので、

  • 住宅ローンの借入残高4,000万円(限度額)
  • 新規借り入れした住宅ローン3,000万円の年末残高

のいずれか低いほうを使って住宅ローン控除額が計算されます。

年数 年末残高 控除率 住宅ローン控除額
1年目 2,910万円 1% 29.1万円
2年目 2,790万円 27.9万円
3年目 2,670万円 26.7万円
4年目 2,550万円 25.5万円
5年目 2,430万円 24.3万円
6年目 2,310万円 23.1万円
7年目 2,190万円 21.9万円
8年目 2,070万円 20.7万円
9年目 1,950万円 19.5万円
10年目 1,830万円 18.3万円
合計控除額 237万円
ゆい
住宅ローンを3,000万円借りれば、300万円の住宅ローン控除が受けられるイメージだったけど違うのね。
まごころう
違います。

不動産の営業マンが「住宅ローン控除を使えば○○万円も得しますよ!」などということがあります。

彼らの言う金額は、あくまでも最大額であり、最大額受け取れることは極めて稀です。

一概には言えませんが、誠実な営業マンかどうかを見分けるポイントと考えてもいいでしょう。

ゆい
確かにね。

入居後の生活のことを真剣に考えてくれているなら、お金のことには誠実に話してほしいわね。

申告に必要な書類

申告に必要な書類は、

  • 住民票の写し
  • 家屋および土地の登記事項証明書
  • 売買契約書、請負契約書、土地等の分譲に係る契約書などの写し
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 認定長期優良住宅または認定低炭素住宅の場合は、長期優良住宅建築等計画または低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写しおよび住宅用家屋証明書
  • 増改築等の場合は、建築確認済証の写し、検査済証の写しまたは建築士等から交付を受けた増改築等工事証明書

です。

まごころう
申告しなければ住宅ローン控除を受けることはできません。

忘れずに申告を行いましょう。

住宅ローン控除に関する平成29年度の改正内容

項目 改正内容
住宅ローン控除 住宅ローン控除の適用を受ける住宅(以下「従前住宅」という。)が災害により居住の用に供することができなくなった場合には、改正前の、災害により居住の用に供することができなくなった年に限り本税額控除を適用することとする措置に変えて、災害により居住の用に供することができなくなった年以後の従前住宅に係る適用年について本税額控除の適用を受けることができる措置を講ずる。
再建支援法適用者が再建住宅の取得等をした場合には、従前住宅に係る住宅ローン控除と再建住宅に係る住宅ローン控除を重複して適用できることとし、その重複して適用できる年における税額控除額は、改正前の二以上の居住年に係る住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有する場合の控除額の調整措置による。
※上記の改正は、平成29年分以後の所得税について適用するとともに、所要の経過措置を講ずる。適用対象となる省エネ改修工事に、居室の窓の断熱改修工事または居室の窓の断熱改修工事と併せて行う天井、壁もしくは床の断熱改修工事で、改修後の住宅全体の断熱等性能等級が改修前から一段階相当以上向上し、改修後の住宅全体の省エネ性能が断熱等性能等級4または一時エネルギー消費等等級4以上および断熱等性能等級3となること等の要件を満たすものを加える。給与所得者等が使用者等から使用人である地位に基づいて貸付けを受けた住宅借入金等(社内融資)のうち、特例の対象とならない住宅借入金等に係る利率を0.2%未満に引き下げる。
※上記の改正は、平成29年1月1日以後に居住用家屋を自己の居住の用に供する場合について適用する。
個人住民税額の特別控除 住宅借入金等を有する場合の個人住民税額の特別控除の適用を受ける住宅(以下、「従前住宅」という。)が災害により居住の用に供することができなくなった場合または災害に際し被災者生活再建支援法が適用された市町村の区域内に所在する従前住宅をその災害により居住の用に供することができなくなった者が住宅の取得等をした場合に、所得税において住宅ローン控除の適用がある者のうち、当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額(住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額)を控除した残額があるものについては、翌年度分の個人住民税において、税額に相当する額を、控除限度額の範囲内で減額する。

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