所得税 不動産の税金

既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除


一定の耐久性向上改修工事(長期優良住宅化リフォーム)を併せてした場合の所得税額の特別控除

概要

個人が、住宅耐震改修または一般断熱改修工事等、あるいはこれらの工事等と併せてその者の所有する居住用の家屋について耐久性向上改修工事等(長期優良住宅化リフォーム)をして、当該家屋を平成29年4月1日から平成33年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、その者のその年分の所得税の額から、一定の金額を控除することができる。

適用要件

ゆい
耐久性向上改修工事等ってなに?
まごころう
「耐久性向上改修工事等」とは、個人が所有している家屋につき行う構造の腐食、腐朽および摩損を防止し、または維持保全を容易にするための改修工事で、特定の増改築等に係る住宅ローン控除の特例における「特定耐久性向上改修工事等」と同じ工事です。

つまり、

  • エネルギーの使用の合理化に著しく資する改修工事で政令で定めるもので費用の額が30万円を超えるもの

と併せて行う

  • 構造の腐食、腐朽および摩損を防止し、または維持保全を容易にするための改修工事で政令でさだめるもので費用の額が50万円を超えるもの

です。

具体的には、

  • 小屋裏
  • 外壁
  • 浴室、脱衣室
  • 土台、軸組等
  • 床下
  • 基礎
  • 地盤に関する劣化対策工事
  • 給排水管もしくは給湯管に関する維持管理もしくは更新を容易にするための工事

で、

  • 増築、改築、大規模の修繕もしくは大規模の模様替または一室の床もしくは壁の前部について行う修繕もしくは模様替等であること
  • 認定を受けた長期優良住宅建築等計画に基づくものであること
  • 改修部位の劣化対策並びに維持管理および更新の容易性が、いずれも増改築による長期優良住宅の認定基準に新たに適合することとなること

を満たす工事です。

ゆい
ほかに要件はないの?
まごころう
あります。

上記のほかに、

  • 改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
  • 前年以前3年内の各年分の所得税について、
    ①一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事等をした場合の所得税額の税額控除
    ②住宅耐震改修工事及び一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事などをした場合の所得税額の税額控除
    の適用を受けていないもの
    (※ただし、各年分の適用と異なる居住用の家屋について①、②の改修工事等をした場合には、適用を受けることができる。)
  • 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 住宅ローン控除および特定の増改築等に係る住宅ローン控除の適用を受けていないこと

があります。

ゆい
なにか注意することは?
まごころう
注意点として、

  • 住宅耐震改修工事と併せて耐久性向上改修工事等をした場合の所得税額の特別控除
  • 一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事等をした場合の所得税額の税額控除
  • 住宅耐震改修工事及び一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事などをした場合の所得税額の税額控除
  • 一定の省エネ改修工事をした場合の所得税額の特別控除
  • 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除

との選択適用になります。

ゆい
選ばなきゃいけないのね。

所得税から控除される金額

所得税から控除される金額は、

  • 住宅耐震改修工事と併せて耐久性向上改修工事等をした場合
  • 一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事等をした場合
  • 住宅耐震改修工事及び一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事などをした場合

のどれに該当するかによって変わります。

住宅耐震改修工事と併せて耐久性向上改修工事等をした場合

 

(耐震改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額) × 10%を、所得税額から控除します。
※(耐震改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額)の限度額は250万円です。

一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事等をした場合

 

(断熱改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額) × 10%を、所得税額から控除します。
※(断熱改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額)の限度額は250万円です。
※太陽光発電設備設置工事を含む場合は、限度額350万円です。

住宅耐震改修工事及び一般断熱改修工事等と併せて耐久性向上改修工事などをした場合

 

(耐震改修の標準的な工事費用相当額 + 断熱改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額) × 10%を、所得税額から控除します。
※(耐震改修の標準的な工事費用相当額 + 断熱改修の標準的な工事費用相当額 + 耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額)の限度額は500万円です。
※太陽光発電設備設置工事を含む場合は、限度額600万円です。

ゆい
耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額ってなに?
まごころう
「耐久性向上改修の標準的な工事費用相当額」とは、耐久性向上改修工事の内容に応じて定められた単位当たりの金額に箇所数、施工面積などを乗じて得られた金額の合計をいいます。補助金等の交付がある場合は、当該補助金等の額を控除した後の金額です。

国交省が定めた一定の基準があり、実際にどのような費用が掛かったとしても、基準で定められた範囲でしか考えませんよということです。

申告に必要な書類

申告に必要な書類は、

  • 税額控除に関する明細書
  • 家屋及び土地の登記事項証明書
  • 住民票の写し
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 耐久性向上改修工事等がそれぞれの改修工事等と併せて行われた家屋である旨を証する書類

等です。

所得税の減税措置 - 住宅ローン控除:概要、改正内容(平成29年度)
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控除額の計算方法 住宅ローン控除額の計算式は、 住宅借入金等の年末残高 × 控除率 = 住宅ローン控除額 です。(百円未満の端数は切捨て) 平成21年1月1日~平成25年12月31日に入居した場合 一 ...

まごころう
個々の事情に応じて、ほかに必要な書類があることもあります。

申告の前には、余裕をもって、税務署などに確認するようにしましょう。

同一年中に複数の改修工事を行った場合

同一年中に、

  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事
  • 一定の多世帯同居改修工事
  • 一定の耐久性向上改修工事(長期優良住宅化リフォーム)

の改修工事を行い、その者の居住の用に供した場合におけるその年分の所得税額から控除する金額は、上記改修工事などにより計算した金額の合計額になります。

まごころう
住宅ローン控除および特定の増改築などに係る住宅ローン控除の適用を受ける場合には、この特例の適用を受けることはできません。

また、適用を受けるためには、確定申告書に、

  • 当該控除に関する明細書
  • それぞれの改修工事に該当する旨を証する書類
  • 登記事項証明書

等の一定の書類の添付が必要です。

申告の前には、余裕をもって、税務署などに確認するようにしましょう。


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