地目が「山林」の土地に太陽光パネルを設置することは「可能」です。

ただし、地目「山林」の土地に太陽光パネルを設置する場合には、
- 建築基準法の規制
- 都市計画法の規制
- 地域森林計画の規制
をクリアしなければいけません。
各規制について、詳しく解説を続けます。
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地目「山林」の土地に太陽光パネルを設置するまでの流れ
しかし、太陽光パネルを設置するまでには、
- 建築指導課(市町村)との協議
- 都市計画課(市町村)との協議
- 林業振興課(市町村)または農林水産課(都道府県)との協議
(※太陽光パネルの設置面積によって変わる) - 「雑種地」に地目変更を行う
といった手順を踏む必要があります。
建築指導課(市町村)との協議内容
建築指導課(市町村)との協議内容は、
- 工作物のみの計画
- 工作物および建築基準法上の建築物を含む計画
のいずれに該当するのかです。
基本的に、太陽光パネルは「工作物」の扱いになります。
ただし、
- 太陽光パネルを建物に付属設置する場合
- 太陽光パネルの管理用施設を設置する場合
には、建築基準法上の建築物に該当します。

建築指導課(市町村)での回答に応じて、都市計画課(市町村)との協議内容および手続きが大きく変わります。
都市計画課(市町村)との協議内容
都市計画課(市町村)との協議内容は、
- 市街化調整区域の制限
- 都市計画公園の制限
の2つです。
市街化調整区域の制限
地目が「山林」である以上、ほとんどの場合、市街化調整区域に位置しています。
市街化調整区域に位置している場合には、建築基準法上の建築物を建てるにあたって、都市計画法上の許可を得る必要があります。
(※ 原則として、市街化調整区域では建物の建築が認められていません。)
市街化調整区域に位置している場合には、
- 工作物のみの計画:届出が必要
- 工作物および建築基準法上の建築物を含む計画:許可が必要
となります。

太陽光パネルは「工作物」に該当します。
ですので、基本的には届出だけで問題ありません。
しかし、太陽光パネル以外に建物(物置や管理室など)を設置する場合には、許可が必要になります。
人が出入りする目的の施設になると、さらに厳しくなるので注意してください。
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都市計画公園の制限
都市計画法によって都市計画公園に指定されているエリアでは、原則として、建物の設置が認められません。
山林の周辺に公営墓地などがあり、記念施設などが建設されている場合は、かなり広い範囲にわたって都市計画公園に指定されていることがあります。
都市計画公園に位置している場合には、
- 工作物のみの計画:届出が必要
- 工作物および建築基準法上の建築物を含む計画:許可が必要
となります。
(※市街化調整区域での対応に重ねて、別に許可を受ける必要があります。)

都市計画公園については、都市計画課に相談いっても見落としが多々あります。
計画実行の直前で判明した場合、すべてが無駄になってしまうので、あなたの方から先に確認を行うことをおすすめします。
あくまでも経験上ですが、都市計画公園に該当している場合には「工作物および建築基準法上の建築物を含む計画」は、許可を得ることができません。
林業振興課(市町村)または農林水産課(都道府県)との協議
すべての都道府県に共通するわけではありませんが、基本的に、
- 太陽光パネルの設置面積が、0.1ha未満である:農林水産課(都道府県)との協議
(※小規模または大規模林地開発行為に該当するため) - 太陽光パネルの設置面積が、0.1ha以上である:林業振興課(市町村)との協議
(※伐採届けが必要な行為に該当するため)
が必要になります。

「0.1ha = 1,000㎡」です。
すべての規制がクリアできた段階で、地目を「雑種地」に変更します。
地目を雑種地に変更した場合、固定資産税があがるので注意してください。
また、山林での設置では、
- 付近に高い木がある
- 付近に落葉樹がある
- そもそも日照時間が少ない
といったケースが多く採算が合わないことがあるので、しっかりとした試算を行うようにしてください。
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参考になるサイト
地目:山林について