土地を購入・売却するときには、土地の適正価格・相場価格を調べる必要があります。
土地の適正価格や相場価格を調べずに、話を進めてしまうと、いろいろなところで損をしてしまいます。
とはいえ、「土地の適正価格・相場価格はいくらです!」と表示されているわけではいので、ひとつひとつ調べなければいけません。
この記事では、「路線価を使って土地の適正価格・相場価格を調べる方法」について解説します。
国土交通省が発表する路線価は、土地の適正な取引をするために、不動産業者も意識する重要な指標です。
一般の方でも、自由に見ることができ、得られる情報も多いので、十分に活用するようにしましょう。
この記事からわかること
- 路線価の調べ方
- 路線価を使った土地の適正価格の調べ方
- ポータルサイトなどを使った土地の相場価格の調べ方
土地の適正価格と相場価格
そもそも、
- 土地の適正価格
- 土地の相場価格
は違うものです。
適正価格と相場価格を混同してしまうと、今後の取引に支障をきたします。
土地の適正価格とは、特定の土地が持っている本質的な価値を正しく表した価格です。
土地の相場価格とは、需要と供給のバランスに応じた、特定の土地が取引されている主な価格です。
適正な価格が、坪50万円だったとしても、特別な事情によって、相場価格が坪60万円になることはありえます。
例えば、駅の建設が決まっている土地の周辺では、局地的に需要が増します。
農地としての価値が変わらなかったとしても、利便性の向上を見越して、企業や一般人には魅力が増している状況です。
ですので、商業地や宅地の適正価格と相場価格には、一時的なかい離が生まることになるということです。
取引において重視されるのは、相場価格ですが、適正価格を知らないと、
- 魅力を感じていない理由のために、余計なお金を支払うことになる
- 過去の相場価格に引っ張られて、需要からかけ離れた売出価格をつけてしまう
といったことが起きます。
まずは、土地の適正価格・相場価格を知ることからはじめましょう。
土地の適正価格(路線価ベース)
路線価を使った土地の適正価格の調べ方について解説します。
一般的に、路線価の「2割増し」が、土地の適正価格と考えられます。
もともと、路線価は相続税課税標準額や固定資産税評価額などの税金を計算するために使われる指標です。
なので、市場性を適切に反映しているわけではありません。
ですので、市場性を加味するために割り増しする計算が行われます。
ただし、
- 地域の習慣
- 地域の特性
に応じて、割合に差があるので注意してください。
地域によって、路線価の1.5割~3割増しにしていることがあります。
また、路線価がない地域や周辺になにもないような場所では、路線価のまま(もしくは、路線価以下)を適正価格とすることがあります。
一般的な適正価格の例
A土地の路線価が80,000円/㎡であった場合
80,000円 ÷ 0.3025 = およそ265,000円/坪
が坪単価に直した路線価になります。
さらに、路線価を適正価格に直すために、
265,000円/坪 × 1.2 = 318,000円/坪
という計算をします。
最終的な適正価格は「318,000円/坪」です。
土地の相場価格(ポータルサイトなど)
土地の相場価格を調べる方法について解説します。
使うのは、
- ポータルサイト
- 国土交通省などのサイト
です。
上記のサイトには、現在売出中(または過去の売買事例)の土地情報が掲載されています。
ポータルサイトを使って土地の相場価格を調べる方法
情報が広く一般に公開されている情報サイトのことをポータルサイトといいます。
不動産の主要なポータルサイトは、
の2つです。
ほかにも、Yahoo!不動産やスーモなどがありますが、現状、上記の2つで十分です。
もっとも簡易的な方法は、以下の画像のような、
-
アットホームの物件検索ナビゲーション
-
ホームズの物件検索ナビゲーション
各サイトの物件検索ナビゲーションから、目的の土地が所在する地域などを選択して、現在売出中の物件情報を確認する方法です。
注意点として、あくまでも売出価格なので、成約価格ではありません。
売出価格と相場価格
売出価格とは、売主が決める表示価格です。
あくまでも、売主(および不動産業者)が単独で決めている価格なので、その価格でしか売買が行われないわけではありません。
成約価格とは、売主と買主が合意した価格です。
売主と買主が相談をして、売買契約が成立した価格であり、実際に売れた価格を意味します。
ポータルサイト、情報誌、企業ホームページなどの広告に表示されている価格は、すべて売出価格です。
すこし深めに調査をするときには、
を活用するとよいでしょう。
過去の情報などをさかのぼって調査することができます。
過去の情報をさかのぼったときに、似たような土地を見つけたときには、価格を比較してみましょう。
- 売出価格と成約価格の差がどのくらい開いているのか
- 安すぎるまたは高すぎる価格の目安はどのくらいなのか
をつかむことができます。
国土交通省などのサイトを使って土地の相場価格を調べる方法
国土交通省や、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているサイトである、
を活用して相場価格を調査する方法を紹介します。
上記2サイトを活用するときには、
-
不動産取引価格情報(国土交通省)の物件検索ナビゲーション
-
レインズの物件検索ナビゲーション
上記の物件検索ナビゲーションを利用します。
アットホームやホームズと違って、実際に成約した価格(売れた価格)がデータベース化されています。
不動産取引価格情報(国土交通省)のサイトは、国土交通省が管理しているサイトです。
レインズは、不動産流通機構が管理していますが、基本的には不動産業者向けに作られているサイトです。
ですので、アットホームやホームズに比べて、使いにくさが目立つのが欠点です。
とはいえ、非常に重要なデータを手に入れることができるので、しっかりチェックするようにしてください。
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