国土利用計画法(全体)の目次
注視区域
注視区域の指定要件
地価が一定の期間内に社会的経済的事情の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、または上昇するおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当し、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域。ただし、監視区域または規制区域として指定された地域を除く。
都道府県知事などは、上記の注視区域の指定要件を満たす場合にのみ、該当する土地の区域を注視区域として指定することができます。
注視区域に指定された区域内において、
- 市街化区域内 … 2,000㎡以上
- 市街化調整区域内および非線引き都市計画区域内 … 5,000㎡以上
- 都市計画区域外 … 10,000㎡以上
に該当する面積の一定の土地取引(売買等)を行った場合、取引の両当事者が、事前にその土地の所在する市町村の長のを経由して、都道府県知事(指定都市においては、指定都市の長)に対して届出をしなければいけません。
- 取引の両当事者
- 事前届出
が全国(注視・監視・規制区域以外の区域)と異なります。
注視区域における届出の手続き
注視区域における届出の手続きについて、解説します。
事前届出(契約の締結前)
一定の土地取引(売買等)の契約を締結しようとする取引の両当事者(売買であれば買主および売主)は、あらかじめ、一定事項を都道府県知事(指定都市においては指定都市の長)に届け出なければいけません。
都道府県知事への届出を行うときには、その土地の所在する市町村の長のを経由して、都道府県知事(指定都市においては、指定都市の長)に対して届出をします。
単独での届出は受け付けられません。
都道府県知事による各要件の審査
都道府県知事は、届出を受けた土地取引について、
- 土地の利用目的
- 予定対価の額
を審査しなければいけません。
審査の結果、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために著しい支障があると認めるときは、土地利用審査会の意見を聴いて、その届出をした者に対し、
- 当該土地取引の契約の締結を中止すべきこと
- その他その届出に係る事項について必要な措置を講ずべきこと
を勧告することができます。
都道府県知事は、届出があった日から起算して6週間以内に、「勧告」または「不勧告」の通知をしなければいけません。
また、届出をした者は、
- 届出をした日から6週間を経過する
- 6週間経過するまでに通知を受ける
までは、契約を締結してはいけません。
都道府県知事が勧告をしたときの対応
都道府県知事が、事前に届出をした者に勧告をした時には、対応が3つに分かれます。
報告の必要があると認められる場合には、勧告に基づいて講じた措置について勧告を受けた者から報告を受けることができます。
勧告を受けた者が勧告に従うときには、都道府県知事は、当該土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の措置を講ずるよう努めなければいけません。
勧告を受けた者が勧告に従わないときには、勧告に従わなかったということおよび勧告の内容を公表することができます。
(ただし、罰則はない。)
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