一般媒介契約のメリットとデメリットについて解説しています。
不動産の売却は、
- 不動産の持つ魅力
- 媒介契約の適合性
によって、成否が決まります。
メリットとデメリットを理解することで、最適な媒介契約を選ぶ助けにしてください。
さらに詳しく
各媒介契約について、不動産の売買における「媒介契約」にてより詳しく解説しています。
一般媒介契約のメリット
一般媒介契約のメリットは、
- 自己発見取引ができる
- 人に知られずに売却をすすめることができる
- 複数の不動産仲介業者と媒介契約を結ぶことができる
- 複数の不動産仲介業者を同時に比較することができる
です。
自己発見取引ができる
一般媒介契約では、
- 知人への紹介
- 知人からの紹介
によって、あなた自身が見つけた買主と契約を結ぶことができます。
ちょっとした裏ワザですが、土地の売却をしたい場合には、事前に「隣家」に相談を持ちかけてみるとよいでしょう。
土地を売る場合、隣家への営業は鉄板とされています。
提案をしてみたら、すんなりと交渉が成立したということが、それなりの確率であります。
人に知られずに売却を進めることができる
一般媒介契約では、指定流通機構(レインズ)への登録義務がありません。
ですので、逆手に利用することで、物件情報の露出を極限まで抑えて売却をすすめることができます。
あまり人には知られたくないという場合には、一般媒介契約を選ぶのも手です。
複数の不動産仲介業者と媒介契約を結ぶことができる
一般媒介契約では、複数の不動産仲介業者と媒介契約を結ぶことができます。
一般媒介契約の最大のメリットであり、複数業者と契約を結ぶことで、デメリットを払拭する効果も期待できます。
一般媒介契約では、指定流通機構(レインズ)への登録義務がありません。
そのため、数社と一般媒介契約を結んだとしても、指定流通機構(レインズ)に登録されない可能性があります。
指定流通機構(レインズ)への登録は、物件情報の露出において、かなり重要なことです。
保険をかける意味でも、一般媒介契約を選ぶ場合には、できるだけ多くの不動産仲介業者と契約を結ぶようにしましょう。
複数の不動産仲介業者を同時に比較することができる
一般媒介契約では、複数の不動産仲介業者を同時に比較することができます。
最終的には、
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
にしようと考えているが、どの不動産仲介業者がいいかわからないという場合に効果を発揮します。
不動産の売却をどの程度急いでいるのかによりますが、個人的には、一般媒介契約で「3ヶ月だけ」様子を見ることをおすすめします。
不動産の売却がうまくいくかどうかは、
- 不動産の持つ魅力
- 媒介契約の適合性
の2つによって決まりますが、「不動産の持つ魅力」については、市場に出してみるまでわからないことがほとんどです。
ですが、3ヶ月ほど市場に出して、
- 問合せ件数
- 内覧の感想
などを確認することで、はっきりした需要が認識できます。
不動産の売却は、だいたい半年〜1年はかかるので、焦らずじっくりと物ごとを進めてみましょう。
一般媒介契約のデメリット
一般媒介契約のデメリットは、
- 物件情報の重複掲載が起こりやすい
- 物件情報が確実に広まるとは限らない
- 不動産仲介業者とのやりとりが増える
- 基本的に、不動産仲介業者の独自サービスを受けることができない
- 業務処理状況の報告義務がないため、不動産仲介業者の営業活動が見えにくい
です。
物件情報の重複掲載が起こりやすい
一般媒介契約では、物件情報の重複掲載が起こりやすくなります。
指定流通機構(レインズ)での掲載も重複しやすくなりますが、
- スーモ
- ホームズ
- アットホーム
など、一般的な不動産ポータルサイト上でも、物件情報が重複掲載しやすくなります。
物件情報の重複掲載によって、露出が増す利点もあります。
しかし、それ以上にデメリットが多く、購入を考えている方が同じ物件情報を何度も目にすることによって、
- いくつも同じ情報が掲載されているので、探しにくくなり邪魔に感じる
- 何度も同じ情報を目にすることで、いつもある物件だと勘違いされる
といったことが起こります。
物件情報が確実に広まるとは限らない
一般媒介契約では、物件情報が確実に広まるとは限りません。
単純に指定流通機構(レインズ)への掲載義務がないので、最低限の露出さえ確保できない可能性があります。
指定流通機構(レインズ)に掲載することで、ほかの不動産仲介業者への露出は確保されます。
一般消費者向けに情報の露出を高める効果はあまり期待できないのですが、指定流通機構(レインズ)に掲載されることによって、
- ほかの不動産業者からも問い合わせがある
- ほかの不動産仲介業者の自社ホームページに掲載されることがある
といったかたちで、最低限の露出が確保されます。
一般媒介契約では、指定流通機構(レインズ)への掲載義務がないため、最低限の露出が確保されないことも起こり得ます。
不動産仲介業者とのやりとりが増える
一般媒介契約を活用するときには、複数の不動産仲介業者と契約を結ぶのが一般的であるため、不動産仲介業者とのやりとりが増えます。
電話などの手間が増えるだけではなく、情報の伝達漏れが起きる可能性があるので注意が必要です。
たとえば、不動産仲介業者Aには、売却価格の引き上げを告げたが、
- 不動産仲介業者B
- 不動産仲介業者C
には、売却価格の引き上げを告げ忘れてしまい、希望の価格ではない安い方の価格で交渉が入ることもあり得ます。
ココに注意
一般媒介契約(明示型)を結んでいる場合、ほかの不動産仲介業者への連絡を徹底する必要があります。
連絡を忘れてしまうと、違約金を支払うことになったりするので注意が必要です。
基本的に、不動産仲介業者の独自サービスを受けることができない
一般媒介契約では、基本的に、不動産仲介業者の独自サービスを受けることができません。
独自サービスとは、
- 自社ホームページへの優先掲載
- 不動産ポータルサイトへの優先掲載
- ホームステージング(魅力的に見せるためのセッティング)
といったものです。
いずれのサービスも、
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
を結んだ売主(依頼主)だけが対象になっていることが多いです。
売却への効果も大きく、売買契約の成立にかなりの影響を及ぼします。
業務処理状況の報告義務がないため、不動産仲介業者の営業活動が見えにくい
一般媒介契約では、業務処理状況の報告義務がないため、不動産仲介業者の営業活動が見えにくくなります。
売却を依頼したはいいものの、預かり件数を増やす役割だけ担わされ、営業活動が一切行われていなかったということもあります。
基本的に、不動産仲介業者がしっかりと営業活動のための準備をするのは、預かった当初のみです。
預かった当初に、
- 指定流通機構(レインズ)への登録
- 各種不動産ポータルサイトへの掲載
- 物件資料の作成
- ほかの業者への根回し
などが行われ、その後は問い合わせを待つだけというのが基本です。
ですので、反応がない物件は忘れられやすく、ただただ埋もれていくということが起こります。
1ヶ月を経過した時点で対策を施せば、より早く売れたにも関わらず、何もせずに残念な結果に至る可能性も否めません。