抵当権が設定されている中古不動産を購入するときの注意点について解説しています。
抵当権が設定されている中古不動産を購入するときには、
- 契約日までに抵当権が抹消できること
- 売買契約書に停止条件を記載すること
に注意してください。

中古不動産とは、
- 中古住宅
- 中古マンション
などです。
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中古住宅の購入ガイドでは、
- 良い中古住宅の効率的な見つけ方
- 割安・割高をしっかりと見分ける方法
- すこしでも安く中古住宅を購入する方法
- 中古住宅にかかる全費用(購入後も含めて)
- 売却や建て替えに適した費用性の高い築年数
など、より賢く、よりお得に、中古住宅を購入する方法についてまとめています。
契約日までに抵当権が抹消できること
大前提ですが「契約日までに抵当権が抹消できること」を確認します。
あなた(買主)は、不動産業者に確認をするだけで十分です。
抵当権を抹消するためには、売主が抵当権の目的となっている債務(住宅ローンなど)について、
- 返済が完了している
- 返済が完了する見込みがある
のいずれかを満たす必要があります。
抵当権を抹消するためには「債権者(金融機関)」の許可がいりますが、返済が終わらなければ、許可を得ることはできません。
ですので、あなた(買主)から不動産業者に聞けば、不動産業者が売主に働きかけ、売主がしっかりと確認を取ります。

抵当権を抹消するタイミングについては、
- 決済および引き渡しの日より前
- 決済および引き渡しと同時
のどちらでも問題ありません。
実務としては「決済および引き渡しと同時」になることが多いです。
(※当該不動産売買で得たお金で返済をする売主が多いため)
ただし、契約時点で「停止条件」を設定するようにしてください。
(※詳細は後述)
返済が完了していても、抵当権は必ず抹消してもらう
返済が完了していたとしても、抵当権は必ず抹消してもらってください。
そもそも、あなた(買主)の所有物に、他人の抵当権が付着していることが見過ごせることではありません。
さらに、あなた(買主)が購入時に住宅ローンを活用するのであれば、抵当権が抹消されていなければ、あなた(買主)の借り入れ先の金融機関が融資を許可してくれません。
抵当権が設定されたままの中古マンションに新たに抵当権を設定した場合、
- 債権者A:抹消されるべき抵当権者(順位1位)
- 債権者B:新設される抵当権者(順位2位)
となってしまうので、債権者B(あなたの金融機関)にとっては多大なリスクになります。

抵当権については、あなた(買主)よりも債権者(金融機関)のほうが敏感になります。
そもそもが債権者に与えられている権利なので当然です。
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抵当権が抹消できていない中古不動産を購入するリスク
そもそも債権者(金融機関)の許可が降りないので、取引は成立しないはずですが、起こらないとも限りません。
万が一、抵当権が抹消できていない中古不動産を購入してしまった場合、
- 所有者:あなた(買主)
- 債務者:売主
となるので、売主が残っている債務(残債)の支払いをやめてしまった場合、あなた(買主)が「差押え」による不利益を直接受けます。
ココに注意
たとえば、個人間売買で「今はお金がないから、現金を受け取ったあとに必ず抵当権を抹消するよ。」といわれた場合には、絶対に応じてはいけません。
不動産業者や金融機関の介入があれば起こり得ないのですが、個人間(素人同士)で取引を完結させる場合、どんな詐欺が起きてもおかしくありません。
売買契約書に停止条件を記載すること
抵当権を抹消するタイミングが「契約日以降」である場合には、売買契約に停止条件を記載してください。
停止条件付き売買契約とは、条件が成立したら契約内容を履行するという約束付きの売買契約です。
ですので、「売主は所有権が移転するまでに、抵当権を抹消するものとする」といった特約を記載します。
万が一、抵当権の抹消ができなかった場合には、売買契約を白紙撤回することができます。

不動産業者が売買契約書を作成するときに停止条件を付記するはずですが、漏れている可能性もあります。
あなた(買主)も必ず確認するようにしてください。
ココがポイント
抵当権が設定されている中古不動産を購入するときには、停止条件を設定すると安心して契約を結ぶことができる。