不動産を取得したときには「不動産取得税」を納めなければいけません。
都道府県税である不動産取得税は、一定のルールに従って、不動産を取得したときに1度だけ都道府県に収める税金です。
しかし、納める額が高額なので適当に考えていると思わぬ出費になる可能性があります。
様々な減税・減額措置も用意されているので、不動産を取得するときには活用しましょう。
減税・減額措置は、自分で申請をしないかぎり適用されない点には十分に注意してください。
この記事からわかること
- 不動産取得税とは
- 不動産取得税の計算方法
- 住宅を取得した場合の特例
- 住宅用土地を取得した場合の特例
- 不動産取得税に関する平成29年度の改正内容
不動産取得税とは
不動産取得税は、
- 不動産(土地および家屋)の取得に対して、
- その不動産の所在地の都道府県が、
- その不動産の取得者(個人、法人の別を問わない。)
に課税する税金です。
不動産を取得した人は、個人・法人どちらとも課税対象者になります。
取得した不動産が所在している都道府県に税金を納めます。
例えば、A県からB県に引っ越しなどを考えて、B県の土地を購入したとします。
この場合、B県に対して不動産取得税を納めます。
不動産を取得したときに、各都道府県が定めた納税時期に従って支払います。
課税対象になる不動産の取得
不動産の取得には、
- 売買
- 家屋の建築
- 増改築
- 不動産の交換
- 贈与
- 寄附
- 法人に対する現物出資等
による取得も含まれます。
※有償、無償を問いません。
ただし、相続による取得は課税対象になりません。
不動産の価値に対して税金を支払います。
不動産は運用次第で莫大な利益を生むので「タダだから課税しない。」では不正が横行します。
新しい価値が生まれたからと考えれば、なんとなく理解できるわ。
不動産の取得の時期
不動産の取得の時期は、契約内容その他から総合的に判断して現実に所有権を取得したと認められるときとされます。
所有権の取得に関する登記(所有権移転・保存登記など)の有無は問いません。
基本的には「取得した日 = 決済をした日」と考えて問題はありません。
不動産の所有権は、原則として決済と同時に引き渡されます。
決済と同時に所有権移転・保存登記などを行うのは、のちのちトラブルにならないためですね。
なので、登記で判断するのは都合が悪いのです。
建売住宅を分譲するときの扱い
建売住宅などを分譲する宅地建物取引業者が注文者となり、請負契約により請負業者に新築させた建売住宅などの家屋の場合、請負業者から引き渡しを受けた時には課税されず、その家屋が分譲されたときに購入者に課税されます。
「建売住宅などを分譲する宅地建物取引業者が注文者となり、」から解説します。
宅地建物取引業者には、
- 建物を建てる技術を持っていない宅建業者
- 建物を建てる技術を持っている宅建業者
の2種類あります。
街の不動産屋さんは、ほとんど前者です。不動産を右から左に流すのが仕事です。
街の不動産屋さんでも、いい話であれば大規模な土地を購入することはがあります。
仕入れた土地は、
- 宅地分譲(土地を区画割して、土地として売ること)
- 建売分譲(区画割した土地の上に家を建てて、家と土地のセットで売ること)
のどちらかで販売されます。
建売分譲する場合には、建物を建てる技術を持っていないので、誰かに家を建ててもらわなければいけません。
なので、宅地建物取引業者(街の不動産屋さん)が、家を建ててくれる誰か(建築業者)に、売り物の家(建売住宅)を建ててほしい!と注文することになるわけですね。
宅地建物取引業者といっても、家が建てれるわけではないのね。
請負業者とは、家を建ててくれる業者(建築業者)のことです。
請負契約とは、家などを建てるときに請負業者と結ぶ契約のことをいいます。
ですので、建売住宅を建ててほしいという話をして、無事、請負契約を結んだ場合は...ということですね。
不動産取得税では、不動産を取得したときに課税されます。
が、建売住宅などを分譲するときには、商品(建売住宅)が完成して、引き渡しを受けた時を取得日とは考えません。
商品(建売住宅)が売れて、購入者(住む人など)が所有権を取得したときに、購入者に対して不動産取得税が課税されます。
ただし、新築後6か月(平成10年10月1日から平成30年3月31日までの間に新築された家屋は、1年)を経過しても分譲されていない家屋については、経過時点で宅地建物取引業者に課税されます。
不動産の価格(課税標準)
課税標準となる不動産の価格は、固定資産税課税台帳の登録価格(固定資産税評価額)によるのが原則です。
税金を課すときの対象になるモノを「課税標準」といいます。
不動産取得税であれば、取得した不動産が課税標準です。
管轄内において固定資産税の課税対象となる不動産すべての固定資産税を決めるための情報が保管されています。
わたしたちが支払う固定資産税は、固定資産税課税台帳に登録されている価格に応じて決められます。
固定資産税課税台帳に登録されている価格のことを「固定資産税評価額」といいます。
より詳しくは、固定資産税評価証明書の取り方・見方と委任状をご覧ください。
不動産取得税の税率
標準税率は4%です。
ただし、平成18年4月1日から平成30年3月31日までの間に取得する土地または住宅についての標準税率は3%とする特例措置があります。
区分 | 税率 |
土地 | 3%(平成30年3月31日まで) |
家屋(住宅) | 3%(平成30年3月31日まで) |
家屋(住宅以外) | 4% |
ただし、納税の時期や軽減措置に違いがあります。
軽減措置が1%でもあれば、50万円も変わるのだから大きいわね。
子育て世代を応援するための優遇は増えてきているので、いろいろ調べてみると発見があるかと思います。
調べるときには都道府県のホームページなどを見るか、直接電話してみましょう。