不動産投資 コラム

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資


前回は、不動産投資の魅力は優れた安定性にあるというお話をしました。では、具体的に何と比べて安定性があるのか分かりますか?今回のお話では、具体的な安定性についてリスクとリターンの観点から掘り下げていきます。

あらゆる投資は、リスクとリターンから成り立っています。上手にリスクと付き合える人が、思い描いたとおりのリターンを得ることができるのは鉄則です。では、上手にリスクと付き合うとは何か?リスクをリスクのままにしないことについて理解しておくべきです。

まだまだ入門ですが、避けては通れない大事なところです。リスクとリターンについてしっかりと理解を深め、不動産投資への心構えをしていきましょう。

【この記事からわかること】

  • ローリスク・ハイリターンな投資とは
  • ローリスク・ローリターンな投資とは
  • ハイリスク・ハイリターンな投資とは
  • 不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンであること
  • 不動産投資のリスク
  • 不動産投資に成功する条件

ローリスク・ハイリターンという幻想

ローリスク・ハイリターンという幻想

ローリスク・ハイリターンという幻想

誰もが追い求める投資に、ローリスク・ハイリターンな投資というものがあります。誰だって大怪我はしたくないですから、リスキーなことはしたくありません。同じように、誰だってお金はできるだけ欲しいので、大儲けを望みます。

しかし、残念ながら世の中にはローリスク・ハイリターンは存在しません。リスクとリターンは表裏一体であり、リスクが大きければ、リターンも大きくなります。逆にリスクが小さければ、リターンも小さくなります。これが投資の鉄則です。

世の中にある投資は、大きく3つに分けられます。ローリスク・ローリターンな投資、ミドルリスク・ミドルリターンな投資、ハイリスク・ハイリターンな投資の3つです。それぞれどのような投資があるのか確認していきましょう。

ローリスク・ローリターンな投資

ローリスク・ローリターンな投資

ローリスク・ローリターンな投資

ローリスク・ローリターンな投資に共通しているのは、元本が減らないということです。つまり、100万円を投資したのならば、少なくとも100万円は返ってくる。その代わり、見返りはほとんどないというのが特徴です。

例えば、預貯金がそうです。わたしたちは、当たり前のように銀行にお金を預けていますが、これは銀行への投資と言いかえることができます。わたしたちが預けたお金をいろんな人に貸し付けることで銀行は利益を出しているのですから、これは銀行業への投資です。

ですので、銀行に預けると金利がついてお金が少しだけ増えます。しかし、増える額は雀の涙ほどであり、ほとんど変化がないといってよいでしょう。これはなぜかというと、銀行に預けたお金は、ほぼ確実に預けた分が保証されるからです。100万円の貯金をしたら、いつでも100万円を引き出せるということです。

このような投資を、元本が保証された投資といいます。銀行預金のほかにも、定期預金や国債などが挙げられます。これらの投資は、元本が保証されているのでリスクは非常に低いですが、同じように利益(=リターン)も非常に少ないローリスク・ローリターンな投資に分類されます。

ハイリスク・ハイリターンな投資

ハイリスク・ハイリターンな投資

ハイリスク・ハイリターンな投資

さて、ローリスク・ローリターンの逆といえば、ハイリスク・ハイリターンです。とてもリスクが高いので、投じた金額のすべてがなくなってしまうこともあります。そのかわり大当たりを引き当てれば、何十倍にも利益が返ってくるという投資です。元本の保証はもちろんありません。

例えば、FXがそうです。あなたの周りにもいるのではないでしょうか?FXは、その仕組みゆえ敷居が非常に低く、誰でも始められる投資なので、投資家の数が急激に増えています。今ではスマホの画面からタップひとつで数百万、数千万の取引が行えてしまいます。

その仕組みとは、レバレッジと呼ばれる仕組みです。レバレッジは、テコのようなものです。レバレッジ20倍というと、5万円の原資で100万円の投資が行えます。何もしていないのに、あなたのお金を何十倍にも膨らますことができるのです。

しかし、これには落とし穴があります。5万円の投資をしたときに、その物が20%値下がりしたら4万円になるので1万円の損です。しかし、レバレッジ20倍で投資を行っていたときには、100万円が80万円になるので20万円の損をしてしまいます。5万円しか原資がないので、15万円は借金を背負うことになります。

FXのリスクは、もっと多岐にわたるのでレバレッジひとつで表せるものではありません。しかしながら、ハイリスクには間違いがない投資です。未知の部分が多いこと=リスクが大きいということです。

同じように、株式投資や先物取引もハイリスク・ハイリターンな投資です。これらはすべて元本が一切保証されていません。また、投資対象の価値も算出しにくい性質をもっており、それこそがハイリスクの理由です。

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資

ここまでローリスク・ローリターンな投資とハイリスク・ハイリターンな投資について説明してきました。この中間であるミドルリスク・ミドルリターンに位置するのが不動産投資です。大きく儲けることは難しいが、大きく損をする危険性も少ないという投資です。

不動産投資のリターンについて考えてみると、不動産投資の魅力についての記事でお伝えしたとおり、不動産投資の利益とは家賃収入です。家賃は価格硬直性があり、一定の需要を満たしている不動産であれば永遠に発生しなくなることが非常に考えにくいものです。また入居者が一度決まれば、そんなに簡単には退去とならないので、今日明日が分からないといったことは稀です。

次にリスクについて考えてみると、元本は完全には保証されていませんが、完全にゼロになることは考えにくいです。不動産投資の元本とは、購入した不動産(マンションや一戸建て)のことです。これらは景気などの動向によって値下がりすることは考えられますが、賃料同様に価格硬直性が高く、急激な値下がりやゼロ円になってしまうことは考えにくい性質があります。なので、完全に保証はされていないものの、ある程度は保証されているということです。

不動産投資のリスク

不動産投資のリスク

不動産投資のリスク

不動産投資はミドルリスクだ!といっても、リスクがあるには違いがありません。ここでは不動産投資のリスクの中でも、代表的なリスクについて紹介します。

物件の滅失・毀損

人間は自然災害には抗うことができません。日本は地震大国ですので、地震による建物の倒壊リスクは避けることができません。また火災や水災(洪水や土砂災害)などのリスクも潜在的にすべての物件がもっているリスクです。

これらの災害に襲われると、多くの建物には何らかの損傷や倒壊という結果がもたらされます。もしも、倒壊してしまったとすると数千万円の損害が一気に降りかかることになります。何とかして回避したいリスクですが、対策方法は用意されています。

勘のよい方ならお分かりでしょうが、保険を使うということです。確かに保険に入ることで、それ相応のコストはかかります。ですが、倒壊してしまったときに発生する負担に比べれば、ごくごく小さな負担です。

空室及び、賃料の下落

日本は、人口が減り続けています。2019年には、世帯数も減少に転じるといわれており、人口減によるインパクトは大きなものです。人口の減少は、ありとあらゆるビジネスにネガティブな影響を与えます。この影響は不動産投資も例外ではなく、人が減れば空室の目立つようになりますし、賃料も需要減によって下落します。

これだけみると不動産投資はお先真っ暗のように感じると思います。ですが、そんなことはありません。各市区町村では、コンパクトシティ構想など人口を集中させる動きなどがみられます。つまり、需要のあるところとないところがはっきりする時代になりつつあるということです。

ですので、需要のあるところでは、すでに人口増に転じている地域があり、そのような地域ではあらゆるビジネスが活性化しています。このような需要のあるところかどうかしっかりと見極めることが、このリスクを回避する方法です。焦らずじっくりと物件を探すことができるかどうかにすべてがかかっています。

入居者のリスク(滞納者や反社会的勢力)

入居者は人間です。人間ですので、さまざまな人がいます。勤めがしっかりしていて、きちんきちんと家賃を払ってくれる人なら、わたしたちも万々歳です。しかし、そのような人ばかりではありません。

実際には、いい加減な人で毎月支払いが遅れたり、そもそも家賃を払わないような人もいます。また家賃を払わないくらいならいいのですが、反社会的勢力(暴力団)関係者など入居させてはいけない人たちというのもいます。彼らを入居させてしまった場合、わたしたち自身にも罰則が適応される可能性があります。

このようなリスクを減らすには、プロに任せるのが一番です。プロとは不動産会社のことです。不動産会社には、不動産を管理する上でさまざまなトラブルに関するノウハウが蓄積されています。しっかりとしているところであれば、法律に関する勉強も怠っていないので、そのようなトラブルへの対応方法も分かっています。

ただし、不動産会社に管理を委託したときには「PMフィー」と呼ばれる費用がかかります。PMは、Property Managementの略で、不動産管理のことです。ほとんどのケースでは、賃料の5%となっています。

成功する不動産投資の必須条件

成功する不動産投資の必須条件

成功する不動産投資の必須条件

不動産投資に向き不向きはありません。向いている手法などはありますが、こういう性格の人は不動産投資に成功できないということはありません。ただし、不動産投資に成功するために必要な条件があります。それは、勤勉(真面目)と慎重(自律)であることです。

わたしは仕事柄、日常的に多数のオーナーさんとお話をします。成功しているオーナーさんほど、しっかりと自分で物件を調べ、自分の基準に満たない物件には絶対に手を出しません。当たり前のことなのですが、これが一番難しいのです。

不動産投資に失敗するとき、失敗した理由は調査不足かルール違反です。もしくは、この二つを同時に行ってしまっているときです。

不動産の調査をするには、かならず勉強が必要ですし、完璧な調査というのは存在しません。それゆえ、できる限りを尽くして調査をしなければならないのです。しすぎるということは絶対になく、すればするほど投資の確度を高めてくれます。

また、できる限りの調査を行ったとしても、その物件が投資価値があるとは限りません。調査の結果、投資不適格な物件であったということはよくあることです。投資適格な物件がなかなか見つからず、見つかっても手に入らなかったりすることが続くと、人は焦りからルールを逸脱した選択をしてしまうのです。

不動産投資で成功したければ、これらのことは絶対にしてはいけません。逆に、これらを守れば不動産投資に成功する確率は飛躍的に上がります。リスクと正面から向き合うことを真剣に考えましょう。

まとめ

元本が保証されている投資が、ローリスク・ローリターンな投資です。銀行への預貯金や定期預金、国債などが代表的なものです。リスクが低ければ、リターンも低いというのが特徴です。

ハイリスク・ハイリターンな投資では、元本の一切が保証されません。突然、あなたの投資したお金がゼロ円になることもあります。場合によっては、マイナスに転じて借金を背負うこともあるので気をつけましょう。

不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンな投資です。元本は完全保証ではないものの、リスクへの対策がなかったり、突然ゼロ円になってしまうようなことは、ほとんどありません。リターンについても、家賃の特性上、安定しています。

不動産投資の代表的なリスクには、「物件の滅失・毀損」、「空室及び、賃料の下落」、「入居者のリスク」などがあります。これらは避けることのできないリスクですが、対策方法もしっかりと用意されています。リスクと上手に付き合う方法を学びましょう。

不動産投資には、向き不向きはありません。ただし、成功に必要な条件は存在します。勤勉(真面目)と慎重(自律)が絶対に必要な条件ですので、忘れないようにしましょう。


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