その道のプロと呼ばれる不動産業者でさえ、あまり手を出したがらない中古住宅。一方、コツを掴んだ不動産投資家は好んで中古住宅の売買を繰り返します。
中古住宅とは、果たして怖いものなのか?あなたは今、踏み込んではいけない道を進もうとしているのか?
安心してください。本記事の内容を守ることができれば、中古住宅は怖いものではなくなります。むしろ、歓迎すべき賢い選択として、あなたの人生を豊かにしてくれることでしょう。
中古住宅選びの条件を設定する理由
結論からいえば「失敗しないため」です。不思議に感じるかもしれませんが、たとえ1,000万円以上お得に物件を購入できたとしても、あなたに合った条件を外していると結果的に失敗する可能性があります。
不動産投資の世界では当たり前ですが、不動産の売買は出口戦略がとても重要です。つまり、購入後にどう処分するのかです。
不動産は一般ゴミのように、いらなくなったからといってゴミ袋に入れて「ぽいっ」と捨てられるものではありません。捨てられないだけならまだしも、持っているだけでコスト(固定資産税など)がかかります。お得物件を購入したはずが、子(場合によっては孫)の代まで残る負の遺産になるリスクがあります。
中古住宅の購入にあたって条件を設定する理由は、いわゆる「負」動産のリスクを避けるためです。そのためには入り口から出口に到達するまでをトータルに考える必要があります。
冒頭で紹介したプロの不動産業者が中古住宅を嫌がる理由は「面倒くさいから」です。不動産業者にとって中古住宅は面倒くさいことが多く、利益も薄いので、彼らは消極的になります。
しかし、裏を返せば、わたしたち消費者にとってみれば「ちょっとした手間でお得に家が手に入る」ということになります。手間だけを考えれば、新築住宅を建てるほうがよっぽど面倒なことは多いです。
それでは具体的な条件についてみていきましょう。
中古住宅選びの3つの条件
絶対に外してはいけないポイントはたったの3つしかありません。
- 適正な予算
- 居住予定年数
- 再販性
上記の3つについて、しっかりとおさえることができれば失敗のリスクは格段に低くなります。しかし、どれか一つでも欠ければ、急激にリスクが高くなります。
中古住宅選びの条件1:適正な予算
あなたにとって適正な予算がいくらなのか考えましょう。適正な予算 = 無理のない資金計画に基づいた予算であり、借入限度額ギリギリまで住宅ローンの枠を使うことなどはありえません。
住宅ローンは人生最大の借金といっても過言ではないのですが、金額が大きいからか「100万円くらい増えてもいいか」などと感覚がマヒしがちです。
資金計画の相談はファイナンシャルプランナー(FP)にしましょう。間違っても不動産屋の営業マン・住宅ローンアドバイザー・銀行員・知人などに相談してはいけません。
[label title="ポイント" color="green" icon="icon-right-hand" text="相談するのであればAFP以上が好ましい" class=""]
ひとくちにファイナンシャルプランナーと言っても、いくつかの種類があります。
- 1級FP技能士(国家) ⇒ CFP(民間)
- 2級FP技能士(国家) ⇒ AFP(民間)
- 3級FP技能士(国家)
FP技能士といわれる資格は国家資格です。あまり聞いたことはないかもしれませんが、CFP・AFPは民間資格です。国家資格が優れていて、民間資格が劣るかというとそうではありません。
AFPを取得するためには、2級FP技能士に合格しなければいけません。またCFPを取得するためには、1級FP技能士に合格しなければいけません。つまり、AFPやCFPはより上位の資格であり、世界標準を保証しているものです。
重要なことは「あなたのライフプランに合った資金計画」です。人生には様々な収入と支出があります。一定のものもあれば、突発的なものもあります。お金の流れをコントロールして、家の奴隷にならないように気を付けましょう。
マイホームは「人生の夢」かもしれませんが、「人生のすべて」ではないはずです。
[ss url="https://antenna-re.com/conditions-for-used-house-1-proper-budget/" width="160" class="alignleft" title="中古住宅選びの条件1:人生を豊かにする適正な予算の決め方" caption="" rel="nofollow" alt="中古住宅選びの条件1:人生を豊かにする適正な予算の決め方"]
中古住宅選びの条件2:居住予定年数
忘れられがちなのが「居住予定年数」です。
- 【永住型】こまめにリフォームを繰り返して永く住む
- 【建替型】適度なリフォームを施すが、将来的には建替える
- 【住替型】必要最低限のリフォームのみにして、将来的には住替える
ざっくりとしたモデルですが、住宅の購入後には、上記のような流れが考えられます。新築では永住型・建替型を選択する人が多いですが、中古住宅では建替型・住替型を選択することがよくあります。
永住型は、居住予定年数は30年以上になるでしょう。30年以上住み続けるとなれば、購入直後にもリフォームを施すべきですし、購入後も定期的な修繕を繰り返すことになるでしょう。
建替型は、居住予定年数は15年~30年程度になるでしょう。建替え資金が準備できるまでの期間を居住予定年数と考えます。建替え資金を準備しなければいけないので、当然リフォーム費用はほどほどにして、貯蓄にまわすことになります。
住替型は、居住予定年数は5年~15年程度になるでしょう。新しい家の購入資金を準備することを最優先すべきであり、住宅ローンの新規借入や借換えを検討している場合には年齢も考えて居住予定年数を決める必要があります。
このようにモデルによって居住予定年数には相当な開きがあり、それぞれ求められる中古住宅の品質も変わってきます。中古住宅の価格は「永住型 > 建替型 > 住替型」となる傾向があるので、住替型希望者が永住型向きの物件を買うと、住替え費用が準備できなくなるなどの弊害があります。居住予定年数によって、あなたが意識すべき物件選びの条件が明確になることを覚えておきましょう。
[ss url="https://antenna-re.com/conditions-for-used-house-2-how-long-you-will-live/" width="160" class="alignleft" title="中古住宅選びの条件2:居住予定年数から考える3つのライフスタイル" caption="" rel="nofollow" alt="中古住宅選びの条件2:居住予定年数から考える3つのライフスタイル"]
中古住宅選びの条件3:再販性
再販性とは、もう一度売れるかどうかです。どれだけ格安の物件でも、再販性が低い物件には手を出すべきではありません。先述したように「負」動産になってしまうからです。
建物価値がなくなり、解体をしたとしても土地は残り続けます。土地が残っているからには固定資産税を支払わなければいけませんし、あなたが死んだときには相続税を払う必要があります。再販性の低い物件は「不良債権」と同じであり、末代まで呪いのようにつきまといます。
また、「中古住宅選びの条件2:居住予定年数から考える3つのライフスタイル」で紹介した永住型・建替型・住替型のうち、住替型では売れない物件は致命傷です。通常、住替えでは、現在住んでいる家を売って購入資金の一部とします。売れない物件を買ってしまうと、購入資金に充当できず計画が進まなくなってしまいます。
再販が見込める物件かどうかしっかりと検討して、出口でつまづかないように気を付けましょう。
[ss url="https://antenna-re.com/conditions-for-used-house-3-resell/" width="160" class="alignleft" title="中古住宅選びの条件3:一家を守るために絶対考えるべき再販性リスク" caption="" rel="nofollow" alt="中古住宅選びの条件3:一家を守るために絶対考えるべき再販性リスク"]