分筆 不動産用語

分筆とは:流れ・期間・費用および特別な事例

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一般的に、子や孫が新居をかまえるときに、敷地が余っている場合には「分筆」によって土地を譲渡することがあります。

ほかにも、デベロッパーが大規模分譲地を整備するときなど、いろいろな場面で分筆が行われています。

本記事では、分筆について解説しています。

分筆の基本(流れ・期間および費用など)から、分筆の注意点・応用法などについて解説しています。


分筆とは

分筆とは、1筆の土地を分けて、2筆以上にすることです。

通常、土地は「筆(ふで)」という単位で区切られています。

宅地の場合であれば、通常、家が建っていて、塀などで囲まれているところが1筆になります。

広大地(広い土地)や空き地の場合、1筆の土地に見えても、複数の筆に分かれていることがあります。

複数の筆の土地でも、「○○町1番」、「○○町2番」のように枝番(支番)がついていない場合は、ほとんど分筆ではありません。

分筆した場合には、「○○町1番1」、「○○町1番2」のように、親番に枝番(支番)が割り振られます。

分割との違い

分筆と分割の違いは、登記簿上の見た目で判断します。

1筆の土地を分割して使用しているだけの場合、登記をしていないので、登記簿上は1筆の土地でしかありません。

1筆の土地を分筆して使用している場合、登記簿上でも、2筆の土地として記録されます。

分筆の流れおよび期間

分筆の流れおよび期間について解説します。

分筆は、

  1. 事前調査
  2. 境界確定測量(仮測量を含む)
  3. 分筆案の作成(各立会いの準備)
  4. 役所の立会い
  5. 隣地土地所有者の立会いおよび同意
  6. 境界標の設置
  7. 申請に必要な書類の作成
  8. 分筆登記の申請

の流れで進みます。

ひとつひとつ見ていきましょう。

事前調査

事前調査では、分筆前の土地について、できるだけ多くの資料(証拠)を集めます。

法務局や役所などを活用して資料を集めますが、場合によっては、ほかの場所でも資料を集めます。

役所や隣地所有者との立会いおよび説明の際に使われる資料で、とても重要な役割を担っています。

法務局で行う調査

法務局で行う調査では、

  • 公図
  • 地積測量図
  • 登記事項証明書

の3点を集めるのが基本です。

公図

公図とは、一定の地域において、どのようにして筆ごとの土地が存在しているのかを確認するための地図です。

白地図に筆界(1筆の土地ごとの境界線)が引かれている簡素な地図に、それぞれの地番が記載されています。

公図とは:取得方法、活用方法
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地積測量図

地積測量図とは、特定の土地について、測量した結果が詳細に記載されている地図です。

筆界を決めるときには、境界標(地境杭、地境鋲など)を設置します。

地積測量図を確認することで、各境界標の間の距離や角度などを正確に知ることができます。

【登記事項証明書】公図・地積測量図・建物図面の取得方法

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今回は、万全の下調べを行うために必要な各種図面についてお話します。

登記事項証明書

登記事項証明書とは、特定の土地・建物についての重要な情報が記載されている書類です。

  • 土地の所有者
  • 土地の所在地
  • 土地の面積
  • 土地に付着する権利(抵当権など)

について、過去から現在にさかのぼって知ることができます。

【登記事項証明書】取得方法と注意点
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不動産について調べたり、理解しようとするときに必要不可欠な書類が「登記事項証明書」です。登記事項証明書には、対象となる不動産のこれまでの歩みと現状が記されています。簡単な形状や権利関係をただしく把握するのに、とても重要な書類です。
この記事では、登記事項証明書の基本から取得方法まで解説します。不動産についての第一歩になる方も多いかもしれませんので、できるだけ丁寧に解説を進めます。一歩一歩進めていけば、必ず登記事項証明書を入手できるので頑張りましょう。

役所で行う調査

役所で行う調査では、

  • 確定測量図(区画整理図)

を集めることがあります。

確定測量図(区画整理図)

区画整理事業を行った場合、各事業ごとに「確定測量図(区画整理図)」が作られます。

市が管轄した区画整理事業の場合には、市役所で閲覧・交付の申請をすることで、資料を入手することができます。

県が管轄した区画整理事業の場合には、県庁(および土木事務所)で閲覧・交付の申請をすることで、資料を入手することができます。

まごころう
微々たるものではありますが、確定測量図(区画整理図)を役所で入手できる場合には、公図や確定測量図(法務局で取得する資料)の料金を節約することが可能です。

とはいえ、各役所の対応方法・担当者の対応方法によっては、入手が面倒なこともあります。

守秘義務があったり、不用意に渡すことで余計なトラブルを招いた場合、役所および担当者の責任問題につながることがあります。

大規模宅地開発などではデベロッパーがいろいろな調査をするのですが、不用意なことをしたがために大変な思いをした担当者もいるでしょう。

頑なに閲覧・交付を拒まれた時には、激昂するのではなく、温厚な態度で丁寧に事情を説明するように心がけましょう。

境界確定測量(仮測量を含む)

土地の資料が整ったら、資料と照らし合わせながら、現況調査(境界確定測量)を行います。

土地家屋調査士に依頼する

境界確定測量では、GPS機能の付いた測量端末などを使って、正確に土地の測量を行います。

素人ができることではないので、土地家屋調査士に測量の依頼をすることになります。

素人の測量によって、境界確定図を用意しても、役所および法務局に登記申請が受理されることはありません。

後々、トラブルに発展するのが目に見えているので、当然のことだと考えてください。

分筆案の作成(各立会いの準備)

境界確定測量が終わったら、分筆案を作成します。

どのようにして土地を分筆するのか簡単にまとめた書類です。

簡単にまとめた書類とはいえ、高度な専門性がなければ作ることができない書類です。

役所および隣地所有者との立会いで、説明資料として使うものでもあるので、適当なものを準備して話し合いがうまくいきません。

役所の立会い

分筆案や事前調査資料などを見ながら、役所の立会いを受けます。

現地で立会いをし、分筆に間違いがないか、ひとつひとつ確認を進めます。

隣地土地所有者の立会いおよび同意

分筆予定地の隣地(接している土地)土地所有者と、現地で立会いおよび分筆の同意を得ます。

境界の認識がずれていたり、塀の移設が約束されていた場合など、同意が得られない理由は多々あります。

しっかりとした調査・資料作成をしていれば、問題なく同意を得ることができます。

まごころう
まれに隣地土地所有者との関係が良好でないことが原因で、同意を得ることが難しいことがあります。

境界標の設置

分筆について、各方面からの同意が得られたら、境界標(地境杭、地境鋲など)を設置します。

昔は、石杭・木杭・プラ杭などを使っていることが多かったのですが、最近では鉄製のプレート(地境鋲)を設置するのが主流です。

地震などによってずれることがありますが、近年ではGPS情報が記録されるので、適正な位置に修正することも可能なようです。

申請に必要な書類の作成

すべての分筆準備が整ったら、申請に必要な書類を作成します。

  • 分筆登記申請書
  • 地積測量図
  • 筆界確認書

の3点です。

分筆登記申請書

あなたが用意することも可能ですが、基本的には、土地家屋調査士に依頼して作成してもらいます。

書類に不備があった場合、登記所が受け付けてくれないので、分筆を完了することができません。

訂正するところがあったとしても、登記所は丁寧に理由を教えてくれることもあまりありません。

素人が分筆登記申請書を用意した場合、二度手間、三度手間になることが目に見えているので、あまりおすすめはしません。

まごころう
抹消登記の申請をクライアントの依頼でしたことがありますが、はっきりいってかなり面倒でした。

抹消登記は、登記申請のなかでもかなり簡単な部類に入りますが、それでも二度としたくないと感じたのが正直なところです。

分筆登記の申請を自分でしようとしている場合には、それ相応の覚悟を持って行ってください。

週末が2度や3度つぶれる覚悟は必要だと思います。

地積測量図

境界確定測量の結果をもとに地積測量図を用意します。

筆界確認書

筆界確認書とは、

  • 境界確認書
  • 境界の同意書
  • 境界の協定書

の3つをいいます。

立会いおよび同意の記録を書面にしたものです。

不動産のやり取りでは、書面に残して記録しておくことがかなり重視されます。

分筆登記の申請

分筆登記に必要な書類が準備できたら、分筆登記の申請をします。

無事に申請が受理され、登記識別情報などの交付を受けることができたら、分筆完了です。

分筆にかかる期間

分筆にかかる期間は、

  • 境界確定測量が終わっている場合
  • 境界確定測量が終わっていない場合

によって大きく異なります。

境界確定測量が終わっている場合には、おおむね2週間程度で完了します。

とはいえ、場合によっては1か月ほどかかることもあります。

境界確定測量が終わっていない場合には、早くても1か月かかり、通常1か月半~2か月を要します。

役所とのやり取りが必要になるので、スケジュール合わせが難しく、混んでいる場合には相当な期間がかかることもあります。

分筆をする必要があるときには、できるだけ早く着手するようにしましょう。

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