都市計画法 不動産の法律

都市計画の種類と概要

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市街地開発事業

市街地開発事業とは、一定の区域を総合的計画にもとづいて、新たに開発または再開発するものです。市街化区域または非線引き区域でのみ定めることができるもので、7種類あります。

新住宅市街地開発事業

新住宅市街地開発事業は、新住宅市街地開発法によって定義されている事業です。

[aside type="normal"]新住宅市街地開発法 第1条

この法律は、人口の集中の著しい市街地周辺の地域における住宅市街地の開発に関し、新住宅市街地開発事業の施行その他必要な事項について規定することにより、健全な住宅市街地の開発及び住宅に困窮する国民のための居住環境の良好な住宅地の大規模な供給を図り、もって国民生活の安定に寄与することを目的とします。[/aside]

ややこしく書いてありますが、要するに大規模なベッドタウンを作るためのものです。近年では激減しましたが、ニュータウン開発などです。用地の確保については、土地収用法による収用方式をとります。

工業団地造成事業

工業団地造成事業は、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律等に基づいて実施される都市計画事業です。海岸沿いをドライブしていると大規模な工業団地に遭遇することがありますが、工業団地として積極的な産業誘致を行います。

一体開発をすることによって、生産性などの効率を高めるともに、住宅地と切り分けることでトラブルを回避する狙いがあります。海岸沿いの工業団地では、工業廃水の排出によって漁協とトラブルになることが想定できます。なので、事前に一定海域の権利を買い上げることでトラブルを防止するなどの対策が講じられています。用地の確保は全面買収方式がとられます。

新都市基盤整備事業

新都市基盤整備事業は、人口集中の著しい大都市周辺で新都市をつくり大都市への人口集中を緩和するための事業です。高度経済成長や人口増加が著しかった時代には、大問題に発展する懸念がありましたが、今ではあまり問題視されません。実際に新都市基盤整備事業が行われたことはないことが、状況を物語っています。

土地区画整理事業

道路や公園などがしっかりと整備されていない地区では、土地区画整理事業によって一体開発を行います。不整形地(いびつな土地)から整形地へと転換をしていくことで、碁盤の目のように整然とした都市の形成が可能になります。利便性が向上すれば、地価などもあがるので経済的な効果も期待できます。

区画整理後に地主は新たな土地を手に入れることになりますが、原則として対価交換が行われます。不整形地から整形地になると地価が上昇するので、受け取る土地の面積は減少します。区画整理事業によって土地の再分配が繰り返されると必然的に余剰地が出てくるので、そういった土地を公園など公共施設の設置に活用するという流れです。

市街地再開発事業

市街地再開発事業は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を目的としている事業です。古くなった低層住宅(普通の戸建て)は、人の受け皿としての機能に乏しく、人口増加との相性はよくありません。そのような建物を解体し、高層マンションなどを建築することで土地の効率的な利用を促進します。その結果、土地に余裕が生まれるので、そこに公共施設などを設置するという流れです。

住宅街区整備事業

住宅街区整備事業は、農地や住宅地が混在している地域を再整備することで、大都市における住宅や宅地の大量供給と良好な住宅街区の形成を目的としています。宅地造成、公共施設の整備、共同住宅の建設などによって新たな住宅街区を形成します。

防災街区整備事業

防災街区整備事業は、密集市街地の防災機能の確保と土地の健全な利用を目的としています。特に古い住宅が密集している地域では、火災が起これば火の手が拡大しやすく、地震などではがれきが道を塞いでしまうなど、あまり防災上良い状態とはいえません。なので、老朽化した建物を取り除いて、一定の防災性能を備えた建物に更新することで、地域の防災機能を高めます。

市街地開発事業等予定区域

市街地開発事業や都市施設を実施する場合、かなり具体的に決める必要があるので、どうしても協議に時間がかかります。細かいことを決める打ち合わせをしている間に予定していた地域が乱開発されてしまうことがあります。そういったことを防ぐために市街地開発事業等予定区域を定めることができます。

市街地開発事業等予定区域として定めることができる事業は限られています。市街地開発事業の予定区域として指定できるのは「新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業、新都市基盤整備事業」の3つです。都市施設の予定区域として指定できる施設は「面積20ha以上の一団地の住宅施設、一団地の官公庁施設、流通業務団地」の3つとされています。

促進区域

促進区域とは、区域内の土地所有者などによる速やかな事業の実施が期待される地域とされています。市街化区域または非線引き区域において定められます。市街地再開発促進区域、土地区画整理促進区域、住宅街区整備促進区域、拠点業務市街地整備土地区画整理促進区域という4種類の促進区域があります。

実際には、促進区域で行うこととなっている都市計画事業がなかなか進行しない場合に、市町村が介入するための建前のような性質があります。

遊休土地転換利用促進地区

遊休土地転換利用促進地区とは、市街化区域内の土地で、有効利用されていないために周辺の市街化の促進に弊害を与えている土地の所有者などに対して、土地の有効利用を促進させる制度です。どのような流れで遊休土地の促進を迫るのか確認します。

まず遊休土地転換利用促進地区として、エリアを指定します。指定するためには条件があり、条件を満たしていないと遊休土地転換利用促進地区としての指定ができません。以下が条件です。

  • 市街化区域内にあり、おおむね5,000㎡以上の規模の区域であること
  • その区域及び周辺の土地利用の増進に著しく支障をきたすこと
  • 有効利用することが都市の機能の増進に寄与すること
  • 低利用、未利用の土地の区域であること

これらの条件を満たして、遊休土地転換利用促進地区としてようやく指定できることになります。しかし、実際に地区内から個々の土地の所有者などに促進を迫るためにも条件が決められています。以下が条件です。

  • 対象の土地が1,000㎡以上の一団の土地であること
  • 対象の土地の所有者が土地を取得して2年以上経過していること
  • 低利用、未利用の土地であること
  • その土地及び周辺の土地利用増進のため有効利用を特に必要とすること

これらの条件を満たして、はじめて所有者などに対して遊休土地であることを通知することができます。

通知を受けた所有者は6週間以内に遊休土地の利用または処分に関する計画を市町村長に届出をします。届出を受けて、市町村長は何もしないこともありますが、勧告をするときもあります。勧告を受けた時には、勧告に従って計画の変更などをおこなわなければいけません。勧告に従わない場合には、地方公共団体などと買取協議をします。

地区計画等

地区計画等とは「地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画、集落地区計画」の総称です。都市計画区域内で定めることができます。

被災市街地復興推進地域

東日本大震災や熊本地震など、日本には自然災害によって甚大なダメージを受ける都市計画区域があります。被災した都市計画区域のなかでも、緊急かつ健全な復興を図るたまに必要があるときには、被災市街地復興推進地域を定めることができます。被災市街地復興推進地域に定められると、被災市街地復興特別措置法に従って、迅速な都市の復興が図られることになります。


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